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「聡くんかわいー!ねね、今度いっしょに遊びに行こー?」
「あっずるいあたしも!」
「ちょっとお前ら、なんで俺は全然誘わないくせに聡は誘うんだよ!」
なになに、俺ってばモテモテー?
お誘いを受ける俺の横で駄々をこねる安ちゃんを励ましてあげたら、ゲンコツを貰ってしまった。
「安ちゃん、彼女作っても取っ替え引っ替えしてるからぁー」
「仕方ねーだろ?女子の方から寄ってくるんだから」
安ちゃんがそういうと、女子から大ブーイング。
「サイテー!」やら「性悪ー!」やら、安ちゃんは煽るのが上手だねとしか言いようがないよ。
「と、に、か、く!」
女子を押し切るように話を変えた安ちゃんは、俺に肩を回した。
「行くだろ?5時から駅前のカラオケ!あんな奴もう忘れろっていってんじゃん」
最後の一言は誰にも聞こえないように俺の耳元で呟かれる。
俺がNOと言えないことを知っていてなおこーやって強引に誘ってくるのは、安ちゃんの不器用な計らい。
まだ未練タラタラな俺に諦める踏ん切りをつける機会を用意してくれてるんだよね?
「…んー、分かったあ!5時ねっ!俺直で行こっかなあ?安ちゃんいっしょに行こー??」
「よしきた!」
俺がそう言うと、安ちゃんは嬉しそうに笑ってくれた。
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「聡くん?ってかっこいいねっ」
「ほんとぉ?ありがとお〜」
俺の隣にはそこそこ可愛らしい女の子。
髪も綺麗に巻いていて、でもそれほど濃くない化粧。
媚びすぎず、でもおしとやかすぎず、なんとも男のツボを押さえていらっしゃる。
因みに、安ちゃんは今十八番を熱唱中。
歌が上手いって羨ましいなあ〜…俺はあんまり得意じゃないからっ。
「ねぇ、メアド交換してもらっても…いい?」
「んー、勿論っ!」
「赤外線がいいかな?」
ちょっと照れたような笑顔。しまった、メアドとかって男から聞いてあげるべきなのに!
あまりテンションが上がらないまま来てしまったから、積極的に自分から行く気になれないんだよぅ………
チャラ男失格だよね、俺。
こんなに可愛らしい子に好意を寄せてもらってるのに、なーんにも思わないなんて、さ。
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