1ページ/4ページ
「おじさーん、ステーキ定職弱火でじっくりねー」
「(おじさん…)あいよ」
目的の定食屋さんについて、予め調べておいた言葉を言う
まさかこんなに簡単に調べが付くなんて…やっぱり偶には変な人の依頼を受けてみるもんだよね
まさか、依頼しいて来た人がナビゲーターだったなんて
「こちらへどうぞ」
女の人が奥へと案内する
私はそれにワクワクして、つい背中のうさちゃんリュックを揺らしてしまう
「それでは、ごゆっくりどうぞ」
「うん、ありがとう」
なにがごゆっくりだか―――
心の中で少しだけ悪態を付きながらイスへと座る
するとソレと同時に部屋が動き出した
うーん、にしてもハンター試験って凄いなぁ…
こんなお店の地下に会場を作るだなんて
やっぱりそれ専用の念能力者が居るのかな?
「ま、どうでもいいけど」
ちょうど焼きあがったであろうステーキを口へと運ぶ
………あんまりおいしくない
私はやっぱり弱火でじっくりよりも強火で一気に派のようだ
お肉は生肉で食べてナンボだろーが!!と叫びたい気分である
「叫ばないけどねー」
そう考えるともうこのステーキを食べるのが嫌になってきた
ナイフで適当にぐちゅぐちゅにしながら遊んで居ると(お店の人かわいそうだなー)、ちょうど目的の階に辿り着いた
扉がゆっくりと開くと、そこは―――
「……ムサッ」
男達の楽園でした←
屈強そうな男達が何人も居て汗臭い
うわっ、気持ち悪い
ステーキ食べなくてよかったー、アレ食ってたらまちがいなくゲロってたよ
しばらくの間あの男達の中に割り込みたくなかったので扉の近くでうずくまっていると、緑色の豆が私に話しかけてきた
「はい、これが受験番号です」
そういって手渡してきたのは一枚の丸いプレート
333……ちっ、どうせなら4とか44とか444とかがよかったな
なんだか微妙な数字に当たっちゃったよ
番号に不満を持ち、プレートに穴が開きそうなほど見入っていると、1人の男が私に話しかけてきた
「よぉ、あんた新人だろ」
………うわっ、キモイ、キショイ、クサイ
何これ、こんな人間が生きていていいものなの?
話しかけられたという事実が嫌になり、私はそうそうにその男から離れる
後ろの方で何か喚いていたけど、うさちゃんリュックから取り出したナイフを数本投げつけると静かになった
ハァ……あんなのがいるだなんて
ハンター試験って言うから、もうちょっと骨がある子が居ると思ったんだけどなぁ…
これは期待はずれかも
まぁ、そうそうアレの代わりになるような、心擽る奴なんて居ないよね
- 3 -
[*prev] | [next#]