第七話

勝つという事は誰かが消えること?



××


とうとう、宇宙人が白恋中にやってきた

真っ白い雪の中に真っ黒なボールが重たい音を出しながら落ちてきて、光が広がったと思ったらそこに宇宙人がいた

毎回思うけどアレはどういう仕組みなのだろう?

宇宙はやはり地球よりも科学が発達してるのかな、

たぶん一度分解されて着いたら再構築されるとか?

…恐ろしいな




「待ってたぜ、エイリア学園!勝負だ!!」



我等がキャプテン円堂が叫ぶ

レーゼ、あいつの髪型毎回思うけど抹茶ソフトみたい

宇宙ではあんな感じの髪型が流行っているのだろうか?

そう思い、レーゼをジッと見てると視線に気づいたのかこっちを見て、すぐに目をそらした

…うち、宇宙人にも嫌われてるのかな




××



後半しーちゃんがFWになって、攻撃が始まる

毎回、しーちゃんFWになると人が変わったような感じがするんだけど気のせいだろうか

なんていうんだろう、荒っぽいっていうか、柔じゃなくて剛って感じ

人が変わるってこういうのを言うのだろうか?



しーちゃんがボールを奪い、エターナルブリザードをゴールに向かって打つ

後半になってからは皆動きも良くなり、のせもボールを奪うことができたりなど、勝つ流れが出てきた

一方、私も多少ブランクがあるとはいえなんとか皆に着いていける

ううん、違う

私が着いていってるんじゃない、

なんていうんだろう、こう、枷がはずされた感じ

私は、もっと、強い相手と闘って―――

頭の中がしっくりこない、ここにいる私が私じゃない感じに陥る




××


結果だけいえば雷門は勝った

これで、もう宇宙人が攻めることはない



「終わった、んだよね…はるなん」



「はい、私たち、勝ったんですよ!!」



うれしさが込み上げてくる

これで雷門に帰れる、半ちゃん達にも会える

もう、戦う必要h…




「無様だな、レーゼ」



突然響いてきた声、煙がもくもくと出てきて、人?が現れた

さっきまでの喜びが一気に無くなっていく

まさか、



「新しい、敵?」



「覚悟はできているな…お前達を追放する」



追放?ツイホウ、追い出す、破門、除名、排除

それは、つまりあいつ等の居場所が無くなる?

頭の中がぐるぐるする

自分でもわからない

なんで、こんなにも悲しい気持ちになったのかが理解できない

頭が痛い、ガンガン警告をだしてきて、目頭が熱くなる

ただ…あいつらを助けないといけない気がした

宇宙人なんて知り合いにいないけど、でも、ここで助けないと一生後悔する気がして

新しく現れ宇宙人が蹴った黒いボールにボールを当てて軌道をずらした



「なっ、」


「風丸さん!!」


「なぜ…」



皆が目を見開いて私を見る

私だって、理由なんかわからない

けど、こいつ等を助けないと、心の奥底で何かが叫んでるんだ

だって、こいつ等は、私の―――




「貴様、どういうつもりだ?」



「どういうつもり?さぁな、自分でもわからねぇよ」



こいつ等は半ちゃんやマックスやりんりんやかげのんやしっしーとか、雷門中の奴等皆を傷つけた

私の友達を、仲間を傷つけた

本当なら許せない、普段だったら絶対に殴ってる

実際、雷門中が破壊されたときや、半ちゃん達が怪我した時、怒りや憎しみよりも殴りたいという衝動が出てきた

でも、できなかった

わかんないけど、殴っちゃいけないって、心が叫んでるんだ

理由なんて、自分でもわからないけど




「悪いけど、こいつ等は捕虜としてコッチで預かる」



「それがどういうことなのかわかっているのか?」



「わかんねぇよ、俺、馬鹿だし」



俺の返答に呆れたのか、相手はため息を吐いて、消えた

光が辺りを一瞬包んで目が痛かったけど、なんとか助かった?

私は後ろにいるレーゼ達に声をかける



「大丈夫か?」



「…なぜ、私たちを助けた」



なんでだろう、

実際理由なんてひとつもない筈だ

なんていうのかな、奇麗事だけど、助けるのに理由は要らないってやつなのかな

本当、捕虜とか言ってたくせにさ、奇麗事だよ




「…なんでだろ、わかんないけど…お前達のこと、なんか恨めないんだよね」



「……っ、」



「まぁ、アレだ、昨日の敵は今日の友?」



あれ、なんか違う気がするけどまぁいいか



「…風丸君」


「あっ、監督」



私は監督に声をかけられて初めて回りの様子に気づく

はるなん達はどこか心配してるっていうか、瞳が揺らいでいる、きっとなんで?って考えてるんだろうな

一方鬼道達は憎悪の目で見てる、まぁ、宇宙人を助けたんだし、当たり前か




「…その子達は私の方で預かります」



私は監督の言葉に少しだけ驚く

監督の事だからきっと責めるんだろうな、って思ってたのに



「…だって、お前達はどうする?」



「…私達は、その監督に着いていく」



レーゼ達の返答を聞き、私はレーゼ達を監督に預ける


…にしても、レーゼ達って近くで見ると本当に人間っぽい感じがするよね

どこかで見た気もするけど、気のせいだろ

私に宇宙人の知り合いとかいなかったはずだし







上下


(にしても、宇宙にも上下関係ってあるんだな)


(意外と人間に近いのかも)


(そう思うと、宇宙って不思議だなって思えた)

[ 9/98 ]

[*prev] [next#]




「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -