He Loves[3/5]

ローションを持ち歩く卑猥な男子高校生はそう言ってあやしく笑う。
断じて学校で使うことはないが、そのカバンからとても親や教師には見せられない猥褻物が出てくるところを俺は何度も目撃している。
度々女に間違えられるぐらいに愛くるしいその顔をもってしても、残念ながら俺には七瀬がただの変態にしか見えない。


「カイくん、好き」


そう言ってまた軽くキスをしてから、七瀬は自らベルトを外して下着ごとズボンをずらした。腹に付きそうなぐらいに勃ち上がったその先端は、うっすらと蜜をまとっている。
ロッカーの天板に手を付いた七瀬は、そこに寄り掛かって俺を振り返った。


「カイくん、早く挿れて。人が来たら困るし。ね?」


「ね? じゃないよ、バカ」


今更何を言ってるんだ。
はあ、と溜息をつきながらボトルの蓋を開けて掌の上にひっくり返し、とろとろと落ちてきた透明な液体を人肌の温度になるよう転がしていく。
物欲しげに揺れる七瀬の腰に背後から手を這わせれば、身体が反応してぴくりと揺れた。


「あ………っ」


左手を身体の前に回してシャツのボタンを外していく。肌に掌を這わせて下から胸まで辿っていけば、小さな突起に指先が触れた。ぷっくりと可憐に存在を主張するそこを摘まんで捏ねながら、右手で後ろの孔にそっと触れて指を挿れてみる。


「 ──── っ、あぁッ」


熱くうねる中はまだ俺を受け入れるにはキツくて、ゆっくりと指を往復させながら少しずつ解していく。潤滑剤の力を借りて3本の指を捻じ込む頃には、七瀬は俺の腕の中でガクガクと下肢を震わせながら上擦った声をひっきりなしに漏らしていた。


「あ、あぁ……ダメぇ……ッ」


きゅんきゅんと締めつけてくるそこは、いつ達してもおかしくない勢いで指全体に絡みつく。与えられる快楽に流されまいとするようにぶんぶんとかぶりを振ってから、七瀬は顔を後ろに向けて必死に訴える。


「や、カイくんので、イキた……、んッ」


喘ぎ混じりに言葉を漏らす唇をキスで塞いで、熱い口の中を舌で掻き回す。唇を離せば七瀬は飲み込めない唾液を口の端からこぼして、トロンとした瞳で俺を見つめてきた。蕩け切った顔が、どうしようもなくエロい。


「あ……カイくん、好き……」


少しなら認めてもいい。七瀬は、確かにかわいい。
でもそんな言葉はこいつには絶対に言ってやらない。
ベルトを外してチャックを下ろし、はち切れんばかりに張り詰めたものを取り出せば、七瀬は視線を落として劇的に嬉しそうな声をあげた。


「わあ、勃ってる……!」


「うるさい」


クララが立ったときのハイジだってきっとこんなに喜んではいない。七瀬が前に向き直って、滑らかなヒップラインを見せるように突き出してきた。その腰を引き寄せて後孔に先端をあてがい、小さな入口を割り開くように少しずつ挿れていく。ぬるりとした熱の感触に、俺は息をつく。


「あ、ん、んっ……、や……ッ」


甘い喘ぎは急に止まって、泣きそうな声がこぼれ落ちる。予想どおりの反応に、細い腰を掴んだまま汗ばんだ背筋を布越しに撫で下ろせば、ビクビクと七瀬の中が蠢いた。


「カイ、く……、ちゃんと挿れてぇ」


「挿れてるよ、ほら」


俺の言葉にゆらゆらと腰を揺らしながら、七瀬はあられもなく快楽をねだる。


「ちが、もっと、奥……ッ」



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