the Gate for God[2/7]

「 ─── ん、あぁ、あ………」


胸の頂を口に含めば頭上から淫らな声が聴こえてくる。

くねらせるように押しつけられたそこは、もう硬く勃ち上がり濡れそぼっていた。

幾度こうして全裸で交わったかも知れないのに、まるでこれが初めてかのように身体が震える。

そんな俺を宥めるように、髪に埋められた指先が頭皮を何度も柔らかく擦っては力を緩め、名残惜しげに離れていく。子を愛おしむようなその行為は、乱れた心を幾分か落ち着かせてくれる。


珠利(シュリ)


名を呼ばれて顔を上げれば、その方は俺の顔をじっと見下ろしていた。

身体とは裏腹に熱の籠らない、涼やかな眼差しだ。


「こちらにおいで」


命じられるままに顔を寄せれば、真摯な瞳で見つめられ、間近で問われる。


「私の前で、誓えるか」


それがこの方への忠誠について示唆していることは、違えようもない。


「誓います」


濡れた唇に口づけて舌を挿し込めば、この世界だけに成るあの実の味が流れ込んできた。

小さな粒のぎっしりと詰まった赤く甘美な果実を思い浮かべる。あれが、この方と俺を結びつけたのだ。

組み敷いた身体がしなやかに絡みついてくるのを、しっかりと抱きとめる。

未成熟で匂い立つように美しい肉体を持つこの方は、世界を司る神なのだ。

ああ。なのに俺は、なんという大罪を犯してしまったのだろう。


「珠利、触って」


手を掴まれて導かれるままそこを握りしめれば、笑い混じりの吐息が唇に掛かる。

男の象徴を扱いていくうちに、そこはビクビクと震えて先端から新たな蜜を垂らし始めた。


「ん、あぁ、いいよ……」


零れる喘ぎ声は、この闇の世界を淫らに染めていく。






ああ、慈悲深き主よ。
どうか私の懺悔をお聞き下さい。






******



風向きがおかしい。

流れ込んでくる湿った空気に気づいて風上に顔を向けた途端、遥かから結構な勢いで飛来してくる存在に気づいた。


『おい、待て。どこへ行く』


そのまま門を潜ろうとするそれを慌てて抱きとめて阻止すれば、途方にくれたように見上げるその顔は、まだ幼い子のものであった。


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