入口のヒダをゆっくりと円を描くようになぞられて、思わず上擦った声が漏れた。
「……あ、ァ……っ」
もどかしい動きに腰が揺れればその拍子に指先がほんの少し入ってきて、ビクリと背中が強張る。
濡れた感触が、だんだん中に侵入してくる。焦らすように与えられるのは、もうすっかり慣らされてしまった異物感。
「あ、ん……ふっ」
ぞわぞわと生まれてくる快楽を逃がすように息を吐く。ゆっくりと宥めるように始まる抽送は、疼くそこからするすると熱を引き出していく。
タケの胸に頭を押しつけながらこぼれそうになる喘ぎ声を必死に押し殺す。
「───アキ」
咎めるような声に、俺はかぶりを振る。
あとで振り切れるのは目に見えてる。だからギリギリまで持ちこたえたい、なんてどうでもいいプライドなんだろうけど。
「ああ……ッ! ん、あ……っ」
奥の一点を引っ掻くように強く擦られた途端、大きな声が漏れた。
どれだけ意地を張ろうとしても、俺の弱点を知り尽くしてるタケには敵わない。それが悔しくて仕方ない。
何度もイイところを掠めながら中を解していく指が3本に増える頃には、もう抑えきれない声がひっきりなしにこぼれてた。
耳に届く濡れた音は、快感を増幅させるスパイスみたいだ。
はち切れそうになった俺の先端からは雫が溢れ出ていて、きっとタケの腹を濡らしてるに違いなかった。
「あ、あっ……、タケ……」
早く繋がりたくて、でも素直に言えなくて名前を呼べばタケの掌が俺の頭に触れる。優しく髪を梳く緩やかな動きに硬く目を閉じて息をつく。
カサリとフィルムの裂ける音がして、顔を上げてみればタケが口に咥えたパッケージから小さく丸まったコンドームを取り出すのが目に入った。
俺を見つめる視線が艶かしくて、ゾクゾクする。
両手を下に持っていき、慣れた手つきで素早くゴムを付け終えたタケは、チュッと俺の唇を啄ばんでから吐息混じりの声を出す。
「アキ、挿れて?」
きれいな顔して卑猥なおねだり。仕方がないふりをして頷くけど、本当はもう欲しくて堪らない。
1番大きな形になってるタケのそこを後ろ手で掴んでみる。薄いゴム越しに何度か扱けば意思を持ってるみたいに手の中でピクリと動いて、これが今から入るのかと思うとそれだけでもう身体の芯が震えてくる。
先端を濡れた後孔にあてがって、ゆっくりと腰を落としていく。息を吐きながら奥へ奥へと沈めていけばピタリと肌が密着して、1番深いところに収まったんだとわかった。
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