「……ん、んッ……」
キスの合間に鼻から漏れる声は自分でもいやになるぐらい甘ったるくて、浮かせた腰が物欲しげに揺れるのを止められない。どうやってねだろうか頭の中で必死に考えを張り巡らせているうちに、暖かな掌が腹に触れてそのまま下着ごとスウェットの中を滑り込んできた。
熱い昂ぶりを包み込むように握られて思わず息を吐くと、唇を塞がれる。
緩々とそこを扱かれて、欲しかった感覚は簡単に手に入る。
じわじわと生まれては身体の中で折り重なっていく快楽に、息苦しくなって堪え切れず唇を離した。
「……あ、あ……ッ」
触れる掌が生みだす熱で、俺は簡単に融かされていく。
「腰、揺れてるけど」
からかうような声に、また悔しさが湧いてくる。俺ばっかり気持ちいいなんて、そんなのいやだ。
左腕を付いて上半身を支えながら、右手を下に伸ばしていく。タケの下着の中に手を入れて直に触れてみれば、そこはもうガチガチに張り詰めてた。
与えられる快感をごまかすように、熱を持ったそこを握りしめて動かしていく。変な対抗心を抱きながら扱いていくうちに時折熱い吐息が耳に触れて、ああ感じてくれてるんだなってなんかすごく安心する。
俺のを握りしめてた手が急に離れていって、スウェットの腰の部分に引っかかる。
下着ごとずるりと降ろされれば、熱を帯びた部分が弾むように姿を現わした。ひんやりとした空気に触れたそこは、窮屈なところから解放されて悦びに震えてる。
膝の辺りに頼りなげに引っかかってる布を、俺は脚を上げて全部取っ払ってしまう。
上も脱ごうとすると、急いたように身体に触れる掌が身体に火種を植えつけていく。
肌を覆うものが何もなくなったのに、内側からはじりじりとした熱が生まれてくる。それを少しでも逃がすために俺はそっと息を吐いて、タケの着ている服の裾を軽く引っ張った。
「ね、お前も脱げば?」
早く直に触れ合いたい。
タケが手早く上だけを脱いで上半身が露わになったところで、俺はきれいに浮き出た腹筋をそっと撫でてからズボンに片手を掛けて、ちょっと下ろしてみる。
小さく笑い声がした。
「はいはい、ネコちゃん」
何、そのあしらい方。
眉をひそめる俺の腰を掴んで横に退かせたタケは、起き上がって下着ごとズボンを脱いでから、ベッドのヘッドボードに手を伸ばす。
無造作に転がるボトルの蓋を開けてひっくり返せば、掌に透明な液体がゆっくりとこぼれだす。
暗がりの中でキラキラと光るそれを、俺はただぼんやりと見つめてた。
タケは掌でそれを人肌に温めてから、指で掬って絡めていく。
「何見てんの。ほら、おいで」
仰向けに寝そべったタケの上に跨って、身体を前に倒す。浮かせた腰に一瞬手が触れて、そこから下の方へと指が滑っていく。
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