6,終業式
ーーーーーーーーーーーーーーーー
撮影を終えた翌日


朝、教室でぼーっと外を眺めていた...


「..生徒会室に忘れ物ないよな...」

今日からずっと、昨日の撮影が頭から離れられずにいた


きっと暫くは、あの事を思い出すだろう
というより、忘れることはない...

「はぁーーーぁぁぁ.....」

生徒会室であんなことしたのは
俺が初めてだろう

...別になにも嬉しくない

なんか、色々拭き忘れてないかな

体液、云々...


「...なんで生徒会室で...」

「おはようー」

「うおおおぉあ!?」

「ど、どうした?」

いつの間にか自分の背後に人がいた

「今日、早いな?」

そこにいたのはかけるだった

「おう...」

「げ、元気ないね...?」

心配そうに、俺の顔を見てくる
うむ、可愛い

「色々あったんだよ、昨日」

「そっか、そっか」

と、言いうとそっとハグしてくれた

凄く癒される

この時の為に頑張っているといても過言ではないだろう

「ありがとう...」

「な、なんで泣いてるの!?」

「すげー癒される」

「泣くほど大変だったのか...」

学校で撮影をする事を知った瞬間は特に

もう2度とやらないだろう


「...おっと、もうすぐで誰かくる」

そう俺が言うと

かけるは手を解いた


ーーーーーーーーーーーーーーーー

ここで少し、学校の事について説明をすると

クラスはA組からE組まである

俺は1年D組である

A組は成績の優秀なやつが多い。が、
E組はその反対、
成績不振なやつが多い

ただし1年だけまんべんなく分けられている

ただ何となくD組だけ少し頭が悪いやつが多い様な気がする

ちなみに俺は、成績は優秀な方だ
数学を覗いてな


部活はこれと言って特徴がない

俺は部活に所属していない
同じくかけるもそうだ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

次第に教室は人が増えてきた

一番後ろの廊下側が俺の席で
その前が、かけるの席になっている


実は明日から夏休み

今日は終業式

終業式はテレビ放送で始まる


「夏休み、何処か2人で行かない?」

と、かけるが言った

「勿論だよ」

夏休みは
かけるとのデート等諸々ある

「空いてる日ってある?」

「ほぼ毎日空いてるぜ」

かっこよく言ってみたが、軽くスルーされた
こういうたまに冷たい所も嫌いじゃない

「たまには平日いかない?」

「そうだなー...」

あ、そういえば
夏休みは戒さんになんか誘われてたな...

なんか買いたいものがあるからついてきて欲しいとかなんとか

お願いだから俺以外の誰かにしてほしい

最近は戒さんと街に行くと
「天羽戒の、彼氏さんですか?」
なんて聞いてくる奴もいる

それだけは本当に勘弁してほしい

俺の場合は「いや、違いますよ...」
なんて言うが

戒さんの場合は「ただの友達だよ」
と言いながら、いきなり肩を組んでくる

多分ああやって聞かれるのも

戒さんがやたらと距離感が近いからだろう

本当に勘弁してほしい


「そういえば、1日だけ予定入ってたわ」

「まあ、決めるのは夏休みになってからでもいいよ」

戒さんと、歩いているところがかけるにバレないことを祈ろう


「そうだな」


その後、2人揃ってぼーっとしていた


暫くして終業式が始まった

校長先生や生徒会長やらが何か喋っている


あー、眠い...

終業式は寝てるかな


『3年B組の...』

どうやら、今は生徒会長の挨拶のようだ

生徒会長はA組がやるのかと思っていたが
そういう訳でもなかった

ーーーーーーーーーーーーーーーー

終業式が終わった後、

「よし、京帰ろう」

「おう」

「えーっと、1年D組坂町京くん、いますか」

いきなり、3年生と思われる人が大きめの声で呼びかけた


「え、俺?」

「あれ、副会長じゃん」

と、誰かが言った


一気に静まった



「なんか、やらかした?もしかして」

「そ、そんなはずはない」

すぐ、副会長の所に行くと

段々とまたいつも通りわいわいしてきた


「君が、坂町くんだね。これ、会長から」

長方形の封筒を渡された

「ありがとうございます...」

なんだこれ

「周りの人に見せないようにね。だ、そうだよ」

そういうと、教室に戻っていった

なんだよ、気になるじゃねーか


「なんて言われたの?」

「なんか生徒会長から貰った」

「ふぇー」

これは帰った後にみよう

ーーーーーーーーーーーーーーーー
俺は封筒の中身をみて、すぐに察してしまった







/