もう一人の家族


合宿もとうとう3日目に突入した。次の予定を確認するためにしおりを見るけどなにも書いてなかった。疑問に思ってゆうくんに聞こうとしたらアナウンスが流れて大宴会場に1時間後とアナウンスが流れた。




「課題かな?」


「かもしれませんね…そうだ聞きましたか?姫」


「うん?なにー?」


「幸平創真が四宮シェフと退学をかけて食戟したみたいです。勝敗までは分かりませんが……」




いや、確かに合宿で何をするか楽しみにしてるとは言ったけどまさか四宮さんに食戟申し込むなんて思わなかったよ。それはそれで面白いんだけど。なんでそうなったんだろうー?四宮さんってよっぽど理由がなければ食戟を受けるような性格じゃないと思うんだけど。




「でも、幸平くんならさっき見たよー?さすがに四宮さんに勝てる実力はないと思うけどねー」


「負けたけど、退学にはならなかったとかですか?」


「そうだと思うよー非公式だろうし何かあって無効になったんじゃないかなー?」




私としてはまだ全然知れてないから退学なんてされたら暇つぶしなくなるし良かった!でも、四宮さんにしては珍しい…堂島さん当たりが上手くまとめたのかも。だったら四宮さんが食戟を受けたのも理由がつくしねー。




「姫、もうそろそろ時間です」


「ん、りょーかい」




大宴会場に来てみると、初日より人が少ないなーあちこちで退学宣言されていた人いたから当たり前だけどね!でもこれからもっと減るだろうなー。私の予想よりは人数が結構いるのがちょっと驚いたところかな?




「やっほーえりなちゃん」


「アンナ。眠いの?」


「よくわかったねー睡眠不足です。寝たりない……」


「って言いながらちゃんと平均的な睡眠は取ったんでしょ?寝すぎなのよ」




睡眠ラブな私は普通の人より平均睡眠時間は長い。他の人からしたらちょうど良くても私からしたら足りない。だから予定や就寝と起床がちゃんと決まってる合宿は睡眠時間を長く取れないからそこはかなり辛い。寝たいよー!




「よし集まったようだな。全員ステージに注目してくれ。集まってもらったのは他でもない明日の課題について連絡するためだ。
課題内容は…遠月リゾートのお客様に提供するにふさわしい「朝食の新メニュー作り」だ!メインの食材は「卵」!
和洋といったジャンルは問わないがビュッフェ形式での提供を基本とする。審査開始は明日の午前6時だ。その時刻に試食できるよう準備してくれ。
では…明朝6時にまた会おう。解散!」




なるほどね。だからこの後予定なにもないんだー時間あるしよく考えろって事ね!それにしても朝食…ビュッフェ形式ねー何を作ろうかなー?てか練習場所どうしよ。さすがに試作とかしたいんだけどなー。




「―えりな様!調理室の手配が済みました」


「よろしい…では向かいましょう」


「えりなちゃんっ!調理室一緒につかわしてー」


「ええ、いいわよ」




やったー!えりなちゃんナイス。いや、緋沙子ちゃんナイス。眠いけど、とりあえずの構想を立ててから寝ようと思う。さすがにぶっつけ本番で課題には取り組まないよー課題以外は良くやるけどね。




「姫……えりな姫先行ってますよ」


「え!?はや!待ってー」




えりなちゃんに置いてかれた!追いかけなきゃ!どの場所使うか私まだ聞いてない!見つけなきゃどこに行けばいいか分からなくなるー!早歩きで向かっていたら前方から見たことある2人組発見!急いではいたけどそれは一気に忘れさせられた。




「アリスちゃーん!リョウくーん!」


「あら!アンナ!久しぶりね」


「うす……アンナ嬢」


「アリス姫、こんばんは」


「こんばんはゆう」




生き残ってるのは当たり前だけど全然見かけなかったもう1人の従姉妹のアリスちゃんと側近のリョウくんにあえた。元気そうでなにより。まあ、リョウくんは元気なのかどうなのか分からないんだけどきっと元気だと思う!




「相変わらずゆうくんはアンナの忠実な下僕よね!リョウくんも見習ってよ!」


「はあ……」


「そんなことないよ!心配しすぎなだけだよー。リョウくんはリョウくんなりにアリスちゃん敬ってると思うよ?多分」


「多分じゃない!やっぱりリョウくんはゆうくんを見習うべきよ!」


「仲良くて羨ましいよー?ゆうくん壁あるし…」


「私は姫の下僕ですから」




リョウくんはアリスちゃんの一応後ろにいるけど距離は近い。だけど私とゆうくんは距離が遠い…三歩後ろ。絶対それ以上は近づかないようにしてる。それがどうしても心の距離に思えてしまう。




「ほら!これ!だから2人が羨ましいよ」


「そう?」


「うん!あと、リョウくんと仲良しなのもずるい!私もリョウくんと仲良くなりたい!」




リョウくんにだーいぶ!もとい抱き着く!さすが男の子。いきなりだけどちゃんと受け止めてくれた。程よい筋肉がいいね!ゆうくんの視線めちゃくちゃ痛いけどめげないもん!仲良くなりたい!




「リョウくん!仲良くなろ!」


「俺はいいすけど……」


「やった!」


「……お取り込み中すみませんアンナ姫。緋沙子からなかなか来ないから連絡が来てます」


「あ、そうだった!アリスちゃんにリョウくんまたね!」


「失礼します。アリス姫」


「ええ、また」 「うす」




急いで行ったけど、既に遅し。着いたらえりなちゃんにすっごい怒られた。怖かった……怒ったえりなちゃん本当に怖い。緋沙子ちゃんが止めてくれなかったらもっと酷かった……ありがとう緋沙子ちゃん。心配して連絡くれたり今日は緋沙子ちゃんに助けられてばかりだな。


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