「っ……はぁはぁ…」
「幸護の覚悟はそんなんなの?綱吉君守るんじゃないの?幸護がそんなんじゃ守れないし、背中を預けたくないよ」
「…まだまだぁ!」
「そう、その調子。幸護がボロボロでもボスや他が戦っているかもしれない。ボスよりも先に倒れない。最後まで死ぬ気で守りなさい」
「はいっ!」
毎日のように私と幸護の訓練は続いた。そのおかげか、幸護はみるみると成長していた。同じくらいの時の私と同じくらい。そして、飲み込みが早い。いつか、抜かされてしまうな。
「休憩にしようか」
「はい!」
「水分補給」
「ありがとうございます。あの姉さん…」
「休憩中はちゃんと休憩。分かった?」
「はーい…」
「拗ねない拗ねない」
幸護の頭を撫でる。昔はされる側だったからついついしてしまう。幸護は気に入らないみたいだけど。
「フィロメーナ様、幸護様失礼します」
「どうした?」
「……まさか」
「はい。偵察隊から報告です。ヴァリアーのレヴィ隊が動き出したようです」
「「!」」
「早いわね。さすが」
「レヴィということは雷。雷って誰だ?」
「それは私にも…家光様の方も情報を入手し綱吉様、他守護者様に雷の守護者様を守るようにと伝えに行っている模様」
「そう。なら、綱吉君やリボーンと合流した方がいいわね。リボーンなら知っているだろうし…幸護」
「はい」
「先にリボーン達と合流して。私は後から合流する」
「分かりました」
幸護はすぐに、家を出て合流するために急ぐ。それを見送って私は報告係にまた視線をうつす。まだ聞きたいことはあるから。
「レヴィだけじゃないわよね?」
「はい。ヴァリアーボスのザンザス様を含む幹部全員を確認しました」
「ヴァリアー偵察は?」
「すみません。侵入できませんでした」
「想定内よありがとう。しばらくは大丈夫だから撤退していいわよ」
「はい。失礼します」
報告係が出て行ったので私も家を出る。みんなどこ行った。とりあえず、手当り次第行くしかない。そんなに遠くにはいないはずだから、近場で思い当たるところに行ってみよう。居場所探させればよかったな。
「フィロメーナ様」
「……もしかして」
「はい。そのもしかしてです。既にお2方は接触しています。こちらから近いので案内いたします」
「助かったわ。ありがとう」
「いいえ」
さすがだった。なんとか間に合いそう。ザンザス、綱吉君たちに手を出してなければいいんだけど。まあ、あのザンザスだから手を出さないのはありえないか。幸護、私が来るまでちゃんと守ってなよ。