朝告げ鳥に餌を与えよE
七海「じゃあ……扉を開けて先に行くんだね」
日向「お、おう」
七海「鉄製の扉の先は、人間一人が通れる程度の幅しかない廊下が続いているよ」
日向「ということは……」
七海「ドラクエみたいな隊列を組まなきゃね!」
日向「やっぱりな! やっぱりな! うわああああああああ!」
狛枝「肉盾なら任せてよ! ひひっ!」
日向「お前は駄目だ! あと、左右田は論外。左右田を押さえている田中も駄目……となると……」
左右田「頑張れ」
田中「骨は拾えたら拾ってやろう」
日向「拾えたらかよ……」
七海「で、隊列はどうするのかな?」
日向「先頭は俺、後ろが狛枝、その後ろが」
田中「二人羽織の俺様達だな!」
日向「二人羽織まだ継続中かよ!」
左右田「背中が温かくて眠く……」
七海「寝ちゃ駄目だよ」
狛枝「いつも眠たげな七海に注意される左右田君の図」
田中「貴重だな」
日向「はあ……まあ良いや。とりあえずその隊列で進むぞ」
七海「二人羽織で行くんだ……凄くシュールだね」
日向「……くっ!」
狛枝「……ぶふぉっ!」
七海「さあ、シュールな四人が廊下を歩いていると……途中で道が左に折れていることに気付きます。そして此処で聞き耳、だよ!」
日向「うっ、嫌な予感しかしない……」
狛枝「あはっ、これは何かくるね! 肉盾なら任せてよ!」
日向「やめぃ!」
【聞き耳】
日向(50)→92→失敗
狛枝(75)→41→成功!
田中(50)→36→成功!
左右田(50)→3→大成功!
七海「一番前に居た日向君には聞こえなかったけど、後ろに居た三人は……背後からひたひたという足音がすることに気付くよ」
日向「まっ、まさかのバックアタック!」
七海「大成功した左右田君は、殺意の波動に目覚めていたお蔭で、それが明確な殺意を自分達に向けていることに気付くよ」
左右田「何と」
七海「……振り向く?」
狛枝「発狂してない日向君は振り向いちゃ駄目! どうせ一番前だし足音に気付いてないし、そのまま待機!」
日向「え、あ、おう……」
七海「じゃあ三人だけ振り向く?」
田中「二人羽織の儘、身体を翻す!」
左右田「巻き込まれる!」
狛枝「僕はロボットみたいな動きで後ろを見るよ」
七海「じゃあ後ろを振り向いた三人は、醜悪な女性が立っていることに気付くよ。明らかに人間とは思えない、化け物のような醜い女の人だよ。本当ならSANチェックだけど、三人共発狂してるし……面倒だから無しで良いよ」
田中「ふはっ! 醜女か、笑止! その程度の醜さなど、覇王の前では無」
七海「その化け物は槍と盾を持ってるよ。さあ……戦闘開始、だよ」
田中「行けっ! ソウD!」
日向「おい!」
田中「殺意の波動に目覚めし回避の神である魔獣ならば、あの醜女にも勝てる筈だ! 行け!」
日向「無茶ぶりするな! 左右田は戦闘技能ないんだぞ!」
左右田「ぴっぴかちゅう」
日向「おいぃぃっ!」
狛枝「あっ、そういえば神聖な果実に弱いんだよね。桃で戦おう!」
日向「シュール!」
七海「えっと……戦闘開始なんだけど、行動順番を提示して良いかな?」
日向「あっ、ごめん。どうぞどうぞ」
【行動順番(DEX)】
醜女(14)
田中(14)
日向(12)
狛枝(12)
左右田(9)
七海「同じDEXの人は……ううん、1D100して小さい数を出した人が先ね」
【1D100】
醜女→74→後
田中→19→先
日向→23→先
狛枝→89→後
田中「ふはっ! 俺様のターン、ドロー! 手札からソウDを召喚! 行けっ、ソウD! と言いながら左右田を醜女に向かって突き飛ばす!」
左右田「ぎにゃああああああああっ!」
狛枝「田中君が鬼畜!」
日向「俺は見てないから知らない知らない」
七海「じゃあ醜女のターンね。左右田君にダイレクトアタック」
左右田「まじかよ!」
醜女の【錆びた青銅の槍(75)】→97→大失敗
七海「わぁお」
左右田「あらら……」
七海「じゃあ……狭い廊下で槍を振り回した醜女は、うっかり自分の身体に槍を突き刺しちゃったよ」
狛枝「凄いうっかりだね!」
【錆びた青銅の槍】→1D6→5
錆びた甲冑HP:6→1
七海「うわぁ」
左右田「自滅すんじゃね、これ」
日向「とりあえず俺は後ろ手に桃籠を狛枝に渡すぞ」
狛枝「あわあわしながら受け取るよぉ」
七海「左右田君のターンだよ」
左右田「とりあえず近付きたくないから……桃を投げ付ける!」
七海「投擲だね。ダメージは与えられないよ?」
左右田「良いっ、警告文に賭ける!」
左右田の【投擲(75)】→3→大成功!
七海「出目が可笑しいよ……でも大成功だもんね、仕方ないね。見事醜女に桃をぶち当てた左右田君は、ワンモアチャンスだよ!」
左右田「ワンモアチャンスと言われても、投げる桃がもう……」
田中「俺様の桃をやろう」
左右田「……ありなのか?」
七海「大成功だから、ありで良いよ」
左右田「じゃあ田中の桃を受け取って投げる!」
左右田の【投擲(75)】→84→失敗
七海「投げたのは良いけど、盾で防がれちゃったね」
左右田「うにゃああああああああっ!」
七海「さあ、2ターン目だよ。醜女のダイレクトアタック! 相手は目の前の左右田君」
左右田「ぎにゃああああああああっ」
醜女の【錆びた青銅の槍(75)】→70→成功!
左右田「回避回避!」
左右田の【回避(99)】→58→成功!
七海「避けることに定評のある左右田君は、華麗に醜女の攻撃を避けられたよ」
左右田「そんな定評はねえよ!」
田中「俺様のターン! 狛枝から桃籠を奪い、左右田に持たせる! 行けっ、ソウD! 奴を滅せよ! 焼き払え!」
狛枝「それにしてもこの覇王様、のりのりである」
日向「後ろが気になりつつも待機」
狛枝「僕はあわあわしながら待機するね」
左右田「ああもう、俺はピッチングマシーンじゃねえっつうの!」
左右田の【投擲(75)】→6→成功!
七海「おお、凄いね。あと少しで大成功だったよ。じゃあまた桃が醜女に当たりました。苦しんでる、苦しんでるよ!」
左右田「あとちょっとってことか?」
田中「ふはっ! 良いぞソウD、もっとやれ!」
狛枝「暇だなあ」
日向「俺は参加すら許されないんだぞ、もっと暇だ」
左右田「俺だけが忙しい……」
七海「頑張れ左右田君。さあ、ダイスを振る作業に戻るんだ」
左右田「もうダイスを振るのは嫌だお……」
狛枝「じゃあタンポポを刺身に乗せる作業に」
左右田「尚更嫌だお」
日向(またよく判らないノリが……)
田中(また飴欲しいな……)
七海「さあ、3ターン目だよ。醜女のダイレクトアタック! 勿論相手は左右田君ね」
左右田「でっすよねぇっ!」
醜女の【錆びた青銅の槍(75)】→68→成功!
左右田「か、回避!」
左右田の【回避(99)】→100→大失敗
左右田「あっ……」
田中「あっ……」
狛枝「あっ……」
日向「あっ……」
七海「あっ……」
左右田「……まず、新しいキャラクターシートを用意します」
日向「諦めるの早いぞ! ダメージ的に即死はないだろ!」
狛枝「日向君……回避の失敗なら1D6ダメージで済んだだろうけど、大失敗だと基本的に……ダメージ二倍なんだよ……」
日向「……つまり?」
狛枝「2D6ダメージだから、最大値が二回出ると左右田君は死にます」
日向「 」
七海「まだ諦めちゃ駄目だよ、とりあえずダメージ算出してから考えよう。ねっ」
左右田「気絶はやめてくれよ……頼むから……!」
【ダメージ算出】
2D6→7
左右田HP:12→5
七海「避け損なった左右田君は、腹部を槍で貫かれました。凄まじい激痛が全身に疾り、刺されたところが焼けるように熱く感じるよ……一度に半分以上のHPを失った左右田君は、CON×5で1D100して貰うよ。失敗すれば気絶だから、頑張ってね」
左右田「うわああああああああ超痛ええええええええ! つうか俺が気絶したら無理ゲーじゃねえか!」
田中「新しいキャラクターシートを」
狛枝「やめるんだ田中君! 希望は前に進むんだ! 多分」
日向「断言しろよ!」
【気絶判定】
左右田(40)→32→成功!
七海「槍で腹部を貫かれたけれど、殺意の波動に目覚めていた左右田君は、狂人な精神で意識を保つことが出来たよ」
左右田「漢字が違う……」
田中「左右田が死んじゃうっ、死んじゃうぅっ!」
狛枝「田中君キャラ! キャラ!」
日向「カオス過ぎるが俺は見てみぬふりをする」
狛枝「き、鬼畜だ! このアンテナ鬼畜だ!」
日向「アンテナ擬きのお前には言われたくない」
田中「七海よ、左右田に応急手当を」
七海「ううん、今はちょっと無理かな。今、槍に貫かれている状態だし」
左右田「超痛ええええええええええええええええ」
田中「……ならば俺様は、その槍を抜かれぬように掴んで押さえるぞ!」
七海「おお、まさかの対応である」
日向「俺はぼっち待機」
狛枝「あっ、じゃあ僕は参加するね」
七海「おやおや、これはどうしようかな……筋力対抗かな?」
七海「緊張症な狛枝君のSTRを半分にしても6だから……田中君が10、左右田君が4で20……醜女が11だから……ぎり自動成功ではないね」
七海「……よし、振ろうか」
【筋力対抗】
左右田・田中・狛枝(20)→醜女(11)→95→22→成功!
七海「余裕の成功だね。醜女が一生懸命槍を抜こうとしているけど、左右田君を貫いた儘抜けないよ」
日向「一生懸命……ちょっと可愛い」
狛枝「日向君ってストライクゾーン広いんだね!」
日向「そ、そういう意味じゃない!」
田中「さあ、ソウDよ! この至近距離なら桃も余裕で当てられるだろう、やれ!」
七海(やっぱりそうきたかぁ)
左右田「まじ? これ、投擲に補正付くのか?」
七海「……うん。三人の頑張りに免じて、投擲にプラス10して良いよ」
日向「もう少し上げられないのか?」
七海「槍に貫かれて悶絶必死な状態だし、投げるの辛いと思うよ?」
日向「そうか……確かにそうだな」
七海「そういう訳だから……左右田君、頑張ってね!」
左右田「くうぅっ、頼むぜダイス神!」
左右田の【投擲(75+10)】→12→成功!
七海「左右田君は見事に桃を醜女に当てたよ。桃を当てられた醜女は、すうっと姿を消しました」
左右田「や、やった……勝った……!」
田中「よくやったぞ左右田! よーしよししてやる、よーしよし!」
狛枝「殆ど何もしてないけど、僕も左右田君をよーしよしするよ!」
日向「お、俺もするぞ!」
七海「……槍も消えたから、傷口から出血しまくりだけどね……」
左右田「えっ」
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