朝告げ鳥に餌を与えよC
左右田(にしても……石? 餌が石ってことか? 餌を間違えて殺されたってことは……此奴が机のメモにあった、殺された世話係か……)
左右田(生命力に溢れた石か……判らねえ、宝石か何かか? 情報が足りねえ)
左右田(……とりあえず皆にも情報を開示すべきだな)
左右田「七海、この紙を三人にも見せるぜ」
七海「許可します」
狛枝「ぼぼっ、僕ごちょきが、ふひひっ……そんな、判らないよぉ……」
田中「ふはっ! 制圧せし氷の覇王である俺様が、この謎を解き明かしてくれるわっ!」
日向「目に眩しき生命力……? 何だろうな、これ」
左右田「さあ……よく判らねえ。とりあえずまだ調べてねえところがあるし、それを調べるべきじゃね?」
日向「何かあったっけ?」
左右田「バックログ見ろ」
日向「……ああ、壁際の棚か! ガラスケース箱と、桃が入った果物籠だな!」
左右田(この日向、白なのに学級裁判で黒にされるタイプだわ……)
日向「七海、棚を調べるぞ!」
七海「許可します」
日向「そうだな……先ずは如何にも怪しいガラスケースからかな」
七海「ふむふむ……ガラスケース箱には赤い石、緑の石、白い玉が入っており、一番右側にはスペースがあります」
左右田「スペース? 此処に何かあったのか?」
日向「かも知れないな……」
狛枝「ふひひっ! そ、その石って、いいい一体、何なのかにゃっ?」
田中「全知全能なる俺様の勘によると、赤は紅蓮石、緑はドラグライト鉱石、白はメランジェ鉱石だ!」
日向「くっ……此奴等のりのりで発狂していやがる!」
左右田「七海、目星とか知識で石の正体が判ったりしねえのか?」
日向「左右田ぁっ! スルーして進行しないでくれ!」
七海「えっとね、博物学で判る……と思うよ?」
左右田「博物学持ちは……狛枝か」
狛枝「ひっひひぃっ! ぼっ、僕かなっ? ぼぼぼっ、僕なんかが判るかにゃっ、ふひひぃっ」
日向「なあ七海、狛枝に精神分析(物理)して良いか?」
七海「うぅん、駄目」
左右田「つうか緊張症の狛枝に博物学が使えるのか?」
七海「そうだね……博物学くらいならマイナス無しで良いよ」
田中「さあ、愚かなる人間よ。そのちっぽけな叡智を振り翳してみるが良い!」
狛枝「は、はひぃっ! 僕如きが判るか微妙だけど、ががが頑張るよぉっ」
七海(のりのりだなぁ)
狛枝の【博物学(75)】→34→成功!
七海「じゃあ狛枝君は、赤い石は瑪瑙、緑の石が翡翠、白い玉が真珠だということが判るよ」
狛枝「その情報を滅茶苦茶どもりながら皆に伝えるよぉ」
七海「じゃあ滅茶苦茶どもりながら、狛枝君が皆に伝えました」
日向「聞き取りづらい!」
左右田「つうかよぉ、多分これのどれか……もしくはこのスペースにあるやつが『生命力に溢れた石』なんだろうけど……どれだよ……」
七海「オカルトで振ったら判る……と思うよ?」
日向「田中、頼む!」
田中「はっ! 貴様のような下等生物に指示される筋合いなどないわぁっ!」
日向「くっ……リアル発狂していやがる!」
左右田「まさにパラノイア」
狛枝「ZAPZAPZAP!」
左右田「次のクローンは上手くやってくれるでしょう……」
田中(何事)
日向(ZAP? クローン?)
七海「はい其処、小ネタを捩じ込まない」
左右田「へいへい」
狛枝「とっ、ところで、田中君は……あの……オカルトしてくれないのかなっ? あっ、僕如きがごめんね、黙るねっ」
田中「ふっ……貴様のような戦闘力5のゴミが何をほざくか」
日向(こんな調子でこれから進むのかよ……!)
左右田(俺も発狂したいなあ……)
日向「くっそ……はっ、そうだ! 狛枝、田中に言いくるめしてオカルトさせろ!」
狛枝「ひっ、ひぃぃっ! あわわわわ、がががが頑張るよぉぉぉっ」
七海「どもりまくってるから、マイナス30でやってね」
日向「うわああああああああっ!」
狛枝の【言いくるめ(99-30)】→69→成功!
狛枝「一足りた!」
田中「くっ……仕方ない、オカルトで振ってやろう。有り難く思うが良い」
田中の【オカルト(75)】→78→失敗
七海「田中君には何も判らなかったね」
左右田「もう此奴吊ろうぜ」
狛枝「汝は無能なりや?」
田中「泣いた」
日向「泣くな」
七海「まあまあ。で、桃の方は調べないの?」
日向「はっ……そうだった! 目星か?」
七海「えっとね、生物学とオカルトかな」
日向「……田中ぁっ……」
田中「くっ……今度こそ俺様は世界の頂点に立つぞ!」
田中の【生物学(26)】→81→失敗
田中の【オカルト(75)】→81→失敗
左右田「は?」
田中「……俺様帰ります……」
日向「田中、帰る為に探索してるんだよ……」
七海「……田中君は桃について何も閃かなかったけど、果物籠の一番底に鍵があるのを発見したよ!」
狛枝「よっ、よよ良かったねっ、田中君! ちゃんと手柄が、あああって!」
田中「くっ……だ、黙れ……ありがとうございます……!」
日向「デレた!」
左右田「鍵か……この部屋に鍵穴らしきものねえのか?」
日向「左右田、さくさく進めないでくれ……」
七海「鍵穴はないね」
狛枝「ほ、他に何かないの、かな? かな?」
七海「死体と棚と、ガラスケース箱と桃と果物籠しかないね」
左右田「じゃあもうこの部屋に用はねえな……とりあえずそのガラスケース箱と、桃の入った籠を持って出ようぜ」
田中「貴様のような雑種の指図など……!」
左右田「じゃあ田中を置いて」
田中「行きます」
七海「日向君と狛枝君は?」
日向「勿論出るぞ、もう此処は用無しみたいだからな」
狛枝「ぼぼ僕も、引っ付き虫のように、みっ、皆に付いて行くよぉ……あはっ」
日向「いつになったら正気に戻るんだ……」
七海「ゲーム内時間的に、多分最後までこうじゃないかな」
日向「泣きたい……」
左右田「泣くのは早えぞ日向、まだ俺が残ってんだから」
日向「……そ、その発言は『俺が付いてるから大丈夫』って意味なのか『俺ももうすぐ発狂するから』って意味なのか、どっちなんだ……?」
左右田「……」
日向「無言で微笑むなよぉっ……!」
田中「さあ、愚劣な微生物共よ! 俺様に続くが良い!」
左右田「待てっつうの! ガラスケース箱と桃入り果物籠持ってけ!」
日向「田中に装備させるのか? 正気な俺の方が良くないか?」
左右田「あぁ……そうだな、じゃあ日向が持つってことで」
七海「了解だよ。じゃあ皆は部屋に出ました。次は何処へ行くのかな?」
日向(上か下か……無難に上かな。地下って何か居そうだし……)
左右田(下は怖いな……絶対何か居るだろ……つうか暗くてじめじめしてそうなのが嫌だ……)
狛枝(王道の展開なら下にボスが居たりするけど……クトゥルフだからなあ……案外下に良いものがあるかも知れないなあ……)
田中(どっちでも良いから、誰か早く決めてくれないかな……)
日向「俺は上派なんだが」
左右田「俺も俺も」
狛枝「ぼ、僕は下かな……あっ、田中君は、どっ、どっちかな……」
田中「ふっ、貴様等が好きに決めれば良いだけのこと……」
日向「どっちでも良いってことか。じゃあ上から行くか」
狛枝「多数決の結果、上に決まりました」
左右田「これから階段で上に参ります」
日向(二人に付いていけない)
七海「じゃあ四人は階段で二階に行きました。二階の部屋は、四方に大きな窓が設置された部屋だよ。中央には1メートル程度の台が設置されています」
日向「外が見えるのか?」
七海「夜空が見えるよ。覗き込んでみる?」
左右田(あっ)
左右田「覗き込んでみる」
日向「ちょっと待て! 何か怪しいって! 止めろ!」
左右田「怪しいから見るんだよ! 何か判れば儲けもんだし、発狂したら美味いだろ!」
日向「美味くねえよ! これ以上発狂されたら面倒見切れないぞ!」
七海「……左右田君は、結局どうするの?」
左右田「見る!」
日向「くっそ、こんな時にアグレッシヴになるなよ! 止める、全力で止めるぞ!」
七海「ふむ……じゃあ筋力対抗だね!」
狛枝「こ、こんなところで対抗しちゃうんだ……」
田中「俺様今気付いたんだが、さっきからPL同士で殴り合ってばかりじゃないか?」
七海「NPCが居ないしね、仕方ないよ」
【筋力対抗】
日向(7)→左右田(4)→65→75→失敗
七海「駄目だったね」
日向「うわああああああああっ! 田中か狛枝、どっちか」
左右田「その前に見てやるぜ!」
七海「左右田君は見ちゃいました」
日向「ああああああああっ!」
七海「見ちゃった左右田君は、自分達が居る建物を支えている筈の大地が無く、暗闇が広がっていることに気付いちゃうよ」
左右田「つまり」
七海「SANチェックだね。成功で1、失敗で1D3+1のSAN値喪失だよ」
左右田「これは不定の狂気くるか?」
狛枝「ようこそ狂人の世界へ」
日向「成功してくれ……! 頼むから……!」
田中(外野が必死に成功を祈るこの状況は何なの……)
【SANチェック】
左右田(26)→97→大失敗
左右田「流石に笑うしかねえな」
日向「あああああああ……」
【SAN値喪失】
左右田→4→22
七海「一時間以内に元のSAN値の五分の一を喪失しちゃった左右田君は、不定の狂気に陥るよ。1D10を振ってね」
左右田「どんな狂気が出るかなあ……」
日向「出来るだけまともなの来い……!」
狛枝(狂気な時点でまともじゃないと思うんだけど……)
【狂気決定】
左右田→9→犯罪性精神異常
日向「 」
田中「 」
狛枝「あはっ、凄いのが来たね!」
左右田「これって殺人衝動的なあれか?」
七海「そうだね」
左右田「じゃあ発狂した俺は近くに居た日向にダイレクトアタック」
日向「おいぃぃっ! 精神分析、精神分析するぞ!」
日向の【精神分析(30)】→81→失敗
七海「失敗しちゃったね」
日向「ああああああああっ! 狛枝、お前左右田を押さえろ!」
七海「あっ、緊張症の狛枝君だと、筋力半分で対抗になるよ」
日向「なら田中! お前なら左右田を押さえられる!」
田中「ふはっ! 誰が貴様の言うことなど聞くか! 百万回生まれ変わって出直して来い!」
日向「くっ……! 俺がやるしかないのか……!」
【筋力対抗】
日向(7)→左右田(4)→65→60→成功!
七海「日向君は見事左右田君を押さえられました」
左右田「ぐぬぬ」
日向「左右田の筋力が最低で良かった……!」
狛枝「ちょっと素に戻るけど、このままじゃあ探索がままならないよね」
田中「俺様も素に戻るが、正気である日向が発狂した左右田を押さえていては、進行に支障が出ると思うのだが」
左右田「俺も素に戻るけど、殺人衝動は結構やべえから田中に押さえといて欲しい。筋力と体格的に適任だし」
日向「くっ……素がまとも過ぎて発狂したのが惜しまれる……!」
七海(日向君……左右田君は進んで発狂しに行ったよ……ちょろすぎるよ日向君……)
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