僕の駄文アカデミア20
2016/07/13 23:00

【クソナードとクソ煮込み18】


緑谷「かっちゃんかっちゃんかちゃかちゃかっちゃん」

爆豪「俺の渾名で遊ぶな。で、何だ?」

緑谷「ちょっとヤバいどうしよう。プレゼント・マイクにお昼の放送やれって言われた」

爆豪「は? 放送って、あの昼飯時にいっつもベラベラ一人で喋ってた五月蠅い放送か?」

緑谷「そう」

爆豪「何でお前が」

緑谷「廊下で偶々目が合ってさ……今日お昼に用事があるから代わりにやってって……」

爆豪「てめェつくづく運のない……」

緑谷「一人とか無理だって……助けてよかっちゃん……」ぎゅっ

爆豪(デクがデレっ……!)

爆豪「し、しょうがねぇな……まぁ今日一日だけだろ? なら付き合ってやるよ……」

緑谷「本当? ありがとうかっちゃん!」

爆豪「ケッ」




――お昼なう――




ガーッピーガーッ

緑谷「えー……あー……マイクテス、マイクテス……本日は晴天なり……本日は晴天なり……」

爆豪「今日曇りだぞ」

緑谷「本日は曇天なり」

爆豪「……つうか馬鹿みてぇなマイクテストすんなやクソナードが! 今の学校中に響いてんぞアホ!」

緑谷「君の暴言も放送されてるけど」

爆豪「知るかカス!」BOOM

緑谷「おい、精密機械がある密室で爆破するなよ馬鹿かクソ煮込み。弁償沙汰になったら君に全額払わせるからね」

爆豪「てめェの暴言も放送されてんぞ」

緑谷「ははは」

爆豪「ははは」

緑谷「はい。戦う度に骨が砕けて身が削げる、体育祭ではイカレた自傷っぷりを世間に見せ付けた将来殉職まっしぐら。クソナードこと緑谷出久と」

爆豪「ヘドロに襲われヴィランに襲われ挙句攫われる災難続き。将来の夢はトップヒーロー、しかし現実はトップヒロイン。クソ煮込みこと爆豪勝己だ」

緑谷「本日の放送はプレゼント・マイクが事情によりお休みで、代わりに僕達がやることになりました。宜しくお願いします」

爆豪「……てめェ開き直りヤバいな」

緑谷「いや、かっちゃんもじゃないか」

爆豪「てめェに釣られたんだよクソが」

緑谷「ようヒロイン」

爆豪「うるせぇイカレ」

緑谷「ははは」

爆豪「ははは」

緑谷「よし、とりあえずいつものコーナーやろう」

爆豪「何だそれ?」

緑谷「かっちゃん放送ちゃんと聴いてないの?」

爆豪「完璧にスルーしてる」

緑谷「極刑」

爆豪「何でンなことで極刑に処されなきゃなんねぇんだよ死ね」

緑谷「君が死ねよクソ煮込みが……プレゼント・マイクの生放送が毎日聴けるという幸福を放棄するなんて万死だよ……」

爆豪「何なんだよ此奴……過激派かよ……」

緑谷「まぁ良いや。はい、プレゼント・マイクのドキドキお悩み相談コーナー。ほらほらかっちゃん拍手拍手」ぱちぱちぱち

爆豪「切り替え早すぎんだろ」ぱちぱちぱち

緑谷「いつまでも過去は引き摺らないからね。じゃあ早速一枚」がさごそ

爆豪「その箱何だ」

緑谷「学校に投書箱あるの知らない? これ、下駄箱のところにあるんだけど」がさごそ

爆豪「あー……そういや何かあったな」

緑谷「それそれ……よしこれだ」びっ

緑谷「えーっと、夢見る紅白饅頭さんからのお便りだね……かっちゃん読んで」

爆豪「てめェが読めや」

緑谷「それだとかっちゃんが置物化しちゃうじゃないか、何か喋らせないと」

爆豪「誰が置物化するか! ざけんなカス! おら貸せ!」

緑谷「何だかんだで読むんだね」

爆豪「黙れクソナード! ったく……あー……『プレゼント・マイク、こんにちは。早速だが本題に入るぞ。実は最近気になる奴が居るんだが、そいつの周りをうろちょろしてやがる男が居るんだ。その男は俺が気になっている奴の幼馴染で、幼馴染なのを良いことにべたべたいちゃいちゃしてやがる。本当にうぜぇ。どうしたらその幼馴染を排除できるか教えてくれ』……何だこの相談……物騒過ぎんだろ……」

緑谷「物騒なかっちゃんが物騒って言うと凄くシュールだよね!」

爆豪「黙れクソナード。つうかこんなの相談するまでもねぇだろ。幼馴染とかいう恋敵ぶっ潰すか、さっさとその女モノにしちまえば良いんだよ」

緑谷「凄いアクティヴ! 流石かっちゃん非常識!」

爆豪「おうおうそうだr……ちょっと待て非常識って言わなかったか?」

緑谷「夢見る紅白饅頭さん。僕だったらまずその恋敵の弱みを握って絶対に逆らえないようにするよ! やっぱり敵の無力化が一番だと思うんだ、一番の障壁なわけだし。それから彼女を攻略する方が安心だし、じっくり時間も掛けられるじゃない。だからまず恋敵に張り付いて情報収集、場合によっては盗聴器などの使用も視野に入れて徹底的に弱みを探ろう! 人間一つは弱みあるから大丈夫! あ、もし無ければ作っても良いね。悪いことをするように仕向けてその様子を隠し撮り、後でその証拠写真を見せて脅すとか! 勿論悪事の証拠を捏造するのも良いし、面倒臭いなら恋敵が不利になるような嘘をさも真実であるかのように周りに広めたら良いよ! 情報操作なんて今時ネットで簡単に出来るし、お手軽だからオススメだよ!」

爆豪「……なぁ、デクってヒーロー志望……だよな……?」

緑谷「勿論だよ!」

爆豪「えっ……何この純粋な目……逆に怖い……」

緑谷「かっちゃん、ヒーローたる者ヴィランの思考も理解出来なきゃいけないんだよ」

爆豪「……何でヴィランの思考で相談に答えたんだよ……」

緑谷「……」

爆豪「……」

緑谷「さて、次のお便りはふわふわお餅さんです」

爆豪「無視かよ」

緑谷「『プレゼント・マイク先生こんにちは! 毎日放送聴いてます、楽しいです! いつも聴くだけだったんですけど、ちょっと悩みが出来たので投書しました。最近、クラスのTくんが放課後に私の友人のDくんの席に座って机を抱き締め頬擦りしているのを見てしまって……しかもDくんの名前を呟いて机にキスしてたんです……でもTくんもDくんも男で……というかDくん、Bくんって幼馴染の男の子と付き合ってるっぽいし……何かホモの修羅場が起こりそうな悪寒で毎日が辛いです。どうしたら良いでしょうか』」

爆豪「ヤバいな」

緑谷「ヤバいね」

爆豪「あれだ、とりあえずTかBのどっちかぶっ殺せば良いんじゃね」

緑谷「どうしてかっちゃんは頭良いのに馬鹿なの? 死ぬの?」

爆豪「死なねぇよカス! じゃあてめェはどうすんだよ!」

緑谷「僕なら先ずDくんとBくんが本当に付き合ってるのか調べるね。もし二人が付き合っていなかったら後はTくんの問題だし、放置かな。気になるなら恋のキューピッド役になっても良いね。もしDくんとBくんが付き合っていたなら、恋心が拗れたらヤバそうな方がDくんとつっつくようにもう一人の方を社会的に殺す」

爆豪「てめェも殺すんじゃねぇか! つうか俺よりエグいし怖いわ!」

緑谷「何言ってんのさ、本当に殺す訳じゃないよ! ただDくんが幻滅するような嘘の情報を広めたり、悪事の証拠を捏造したり、架空の被害者を作り上げて周囲からの信用を徹底的に失わせるだけだよ!」

爆豪「判った、てめェだけは絶対に敵に回さない」

緑谷「かっちゃん、いつから僕に敵認定されてないと思ってたの?」

爆豪「えっ……」

緑谷「ふわふわお餅さん。君が己の平穏を勝ち取りたいと願うなら、今が行動する時だよ! 頑張れ!」

爆豪「えっ、デク……俺、敵……えっ……?」

緑谷「さて、次の――あれ、相澤先生どうしたんですかいきなり入ってきて――ちょっ、うわやめっ――」

ガガガガガピーッ

相澤「……あー……今日の放送は全て事故だ。忘れろ、以上」

ブツンッ




――次の日――




爆豪「何か半分野郎がやたらこっち見てくる……何でだ……」

轟「何か麗日がやたらこっち見てくる……何でだ……」

緑谷「何か皆がやたらこっち見てくる上に何故か避けられる……何でだ……」



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