駄ン文ロンパ105
2015/07/01 06:00

【いじりたおす】


左右田「俺、最近犬を飼い始めたんだ」

苗木「へぇ、どんな犬ですか?」

左右田「狛犬」

苗木「……えっ? 狛犬? あの神社に居る、石像の?」

左右田「違う違う、ちゃんと生きてるやつ」

苗木「えっ? えっ?」

左右田「実際に見せた方が早いな。狛犬ー、来ーい」

狛枝「わんっ!」きりっ

苗木「 」

左右田「これが狛犬だ」

苗木「いや、これ狛枝先輩ですよね。犬耳カチューシャ付けた狛枝先輩ですよね」

左右田「違うって、狛枝じゃなくて狛犬だって。なぁ狛枝」

狛枝「うん」

苗木「左右田先輩、今『狛枝』って言いましたよね。狛枝先輩も『うん』って言いましたよね。ねぇ」

左右田「だから狛犬だって。ほら、お手も出来るくらい賢いんだぜ。狛犬、お手」

狛枝「わんっ!」てしっ

苗木「そりゃ人間なんだからお手くらい楽勝でしょうよ……」

左右田「人間じゃねぇって、犬だって。なぁ狛枝」

狛枝「そうだよ、僕は犬だよ」

苗木「二足歩行で人間の言葉を流暢に喋る生物を犬だなんて認めたくないです。あと左右田先輩、また『狛枝』って言ってますよ」

左右田「つまり四足歩行になれと……苗木、お前は何て外道なんだ!」

苗木「まさかの外道扱い!? 何で!?」

左右田「犬にだって二足歩行をする権利があるんだぞ! この人でなし!」

苗木「こんな訳の判らない話で人でなし扱いされるとは思わなかった! でもこれ以上余計なことを言ったら更に罵倒されそうだから謝りますよ、ええ! ごめんなさい!」

左右田「良かったな狛枝、苗木もやっと判ってくれたぞ」

狛枝「あはっ、嬉しいよ」

苗木「……うん……もう突っ込まない……突っ込まない……」

左右田「ところで苗木」

苗木「……何ですか?」

左右田「実はもう一匹犬を飼ってるんだ」

苗木「……ゑ? ちょっと、まさか……」

左右田「日向犬って犬なんだけどな」

苗木「日向犬? ああ、日本犬の。良かった……また人かと思」

日向「わんっ!」きりっ

苗木「ったらやっぱり二足歩行で人語を解する犬だったよ畜生!」

左右田「こら苗木! 犬に畜生なんて言うなよ!」

苗木「違っ……いや、うん……ごめんなさい……」

日向「気にするなよ」ぽんぽんっ

苗木「犬耳カチューシャ付けた日向先輩に慰められても遣る瀬無いだけなんですけど……」

左右田「苗木苗木、日向は狛枝よりもよく躾が出来ている犬なんだぜ」

苗木「ああ、そうですか……」

左右田「日向犬、お座り」

日向「わんっ!」すたっ

左右田「伏せ」

日向「わんっ!」すたっ

左右田「立て」

日向「わんっ!」すくっ

左右田「ちんちん」

日向「わんっ!」ごそごそ

苗木「ちちちちょっと待ったああああああああっ!」

日向「どうしたんだよ苗木」

苗木「どうしたもこうしたも無いですよ! 今何しようとしたんですか!」

日向「ちんちん」

苗木「違う! そっちじゃない! そっ、ちじゃ、ないっ!」

狛枝「じゃあどうしろって言うのさ! 日向君は既に後ろ足だけで立ってるんだよ!?」

苗木「ならもう良いじゃないですか! というか左右田先輩!『立て』って言った後に『ちんちん』は無いでしょう『ちんちん』は! 明らかに『ちんちん』狙って言ったでしょう!」

左右田「うわぁ……苗木が卑猥な単語を連呼してる……」

日向「こんな変態が主人公だなんて、同じ主人公として恥ずかしいぞ……」

苗木「言い出しっぺの左右田先輩と、股間のアンテナをボロンしようとした犬耳バーローにだけは言われたくないよ!」

左右田「股間のアンテナとは」

狛枝「そうか、判ったぞ! それは陰k」

苗木「止めてよ! 僕と同じ声で同じイントネーションで変なこと言おうとしないでよ!」

日向「……」ごそごそ

苗木「ちょっと!? 目を離した隙に脱ごうとしないで!」

左右田「ほーれ狛犬、ちんちん」

狛枝「わんっ!」ごそごそ

苗木「ちょっ、お前等止めええええええええええええええええい!!」

日向「あはははは、苗木は弄り甲斐があるなぁ」

左右田「なー」
狛枝「ねー」

苗木「……えっ? もしかしなくても僕、遊ばれてた?」

日向・左右田・狛枝「うん」

苗木「……もうやだこんな先輩……」



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