赤林檎と青林檎
「「ベルせんぱーい!」」
「真っ赤に熟れたちょっぴりセクシーなミーと」
「まだ青くて生意気、でもそんなツンデレが堪らないミー」
「「どっちがいいですかー!」」
「…いや、どうしてそうなったし」
数日前、アルコバレーノ代理戦の為宿泊ていたジャッポーネのホテルの扉を開けると六道骸の元に行った筈の餓鬼が部屋の真ん前で体育座りをしていた
シカトして作戦会議が行われる集合場所に向かおうとしたら服の裾をおもいっきり引っ張られ
『師匠がここで待ってろってー』
『何で俺なんだよ』
『「ベルを頼って行きなさい、未来でお前達は付き合っていたんですから」ってー』
未来のコイツとの関係を六道骸に良いように使われた俺は何処に行っても付いて来る餓鬼についに白旗を挙げ数日の間預かる事になった
当然、その時は赤い林檎一人だったのだが…
「んで、何で増えてんだよ」
「起きたら増えてたー。ねー?」
「ねー」
「『ねー』、じゃねぇよ。何で二人も面倒見なきゃいけねぇんだよ」
「センパーイ」
「あん?」
「先輩は師匠にミーの面倒を頼まれたんでしょー?」
「…別に頼まれてはいねぇけど」
「という事は、赤林檎のミーも青林檎のミーもミーはミーな訳で、それって二人面倒見ないと約束破りですよー」
「黙れ青林檎っ、約束なんてしてねぇし」
「ベル先輩酷いー」
「うっせ赤林檎、つかお前ら分かり難い、喋る前に名乗れ」
「青林檎ですー、名乗るとか面倒ですー」
「赤林檎でーす、先輩がお願いしてくるなら呑んであげても構いませんよー」
「…どっちの林檎もマジ生意気」
右脚にくっ付いてくる少し落ちついた感じの赤林檎
左脚にくっ付いてくる生意気な目をした青林檎
これ、ボス達にどう言えば良いんだよ
思わずしゃがんで頭を抱える俺を覗き込んでくる二人にため息わを付こうとすると使い慣れたアジトよりも少し安っぽい扉がコンコンと鳴った
「ベルちゃーん、入るわよー」
「っヤベ、来い青林檎っ」
「えー、やだー」
「いいから来い!」
「先輩ー?」
「赤林檎は大人しくしてろ!」