赤林檎と青林檎




バン!!

…ガチャ



「入るわよー、ってまだ着替えてないのぉ?早くしなさいな」
「わ、分かってるっての」
「あ、オカマー」

「あら、おはようフランちゃん。ベルちゃんと違ってもうちゃんと着替えてて偉いわねー」

「『朝はしっかり起きなさい』って師匠がー」

「あらあの人そういう事意外としっかりしてるのねぇ。ボスと同じで低血圧だと思ってたわ」
「ていけつー?」

「こっちの話よ。じゃあベルちゃん早く着替えてね、ボス以外みんな集まってるわよ」

「あー…俺今日部屋で朝飯食うからいいや」
「あら、どうしたの?」
「ん、ちょっと頭いてぇ」

「分かったわ、じゃあみんなにはアタシから言っとくから今日はお部屋で大人しくしてなさいね」

「へーい」
「フランちゃんはどうする?」
「ベル先輩といまーす」
「そう、じゃあベルちゃんの事宜しくねっ」
「任せてくださーい」




…ガチャ



「何が『任せてくださーい』だこの馬鹿林檎。誰のせいだと思ってんだよ」

「んー…ミー達のせい?」
「当たり前だろ」
「堕王子ー」
「…堕王子じゃねぇし!…あれ?」
「青林檎のミーの事忘れてませかー」
「…忘れてた」


隊服の袖口が挟まったまま閉まったクローゼットの中から聞こえる声

扉をスライドさせて開けると備え付けられていたハンガーやら俺が掛けてた服やらとごっちゃになりながらも今まで大人しくしていた青林檎のフランが見えた


「うぅぅ、出れないぃー」
「ったく、しょうがねぇな」
「もっと労れぇー」

「なんで俺王子の俺が馬鹿青林檎を労んなきゃいけないんだよ」
「堕王子様だからー?」
「赤林檎、お前も調子のってっとしばくぜ?」

「突然抱えて上げたかと思ったらクローゼットに投げ込むなんて酷いですよー、流石堕王子。ひとでなしー」

「しょうがねーじゃん、青林檎見られたら色々説明が面倒なんだよっ」

「いいじゃないですかー気づいたら増えてたでー」
「あのな、後で隊長にでもバレてみろよ」
「赤林檎のミー的にはうるさくなるかもー」
「青林檎のミー的にも同じくー」
「だろ?」
「だからって投げ込まなくてもー」
「緊急事態だったんだから仕方ねぇだろ」

「赤林檎のミーはお菓子くれたら許してあげますー」
「許すも何も赤林檎関係ねぇじゃん」
「じゃあ青林檎のミーも仕方ないからそれで手を打ちますよー」

「この糞林檎っ」


早くー、早くーと両手を揃いて小さな手で皿を作り迫ってくる2つの林檎頭
こいつら断ったら部屋飛び出して二人に増えた事ばらすつもりだろ
絶対そうだろ

そんな事をされたら今ルッスをやり過ごした意味がない
とりあえず飴でもあげてりゃ大人しくなんだろ




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