幸せへの道標




何事もスタートラインに立つ事は簡単

俺が言うのも可笑しいケド
夢と希望、自信それとほんの少しだけの勇気があれば

でも大変なのはその先で何処にあるのかも分からないゴールを真っ暗な中探す

ゴールまでの距離、大きさはそれぞれだけど
抱える不安や恐怖は似てるんだ


他の奴にとってちっぽけな事でも俺にとってはおっきな事なんだよ





ボスの誕生日から2週間

多分想いは通じた…ハズ

でもボスは愛してるとか言わないし、それらしいモーションもない
前と何一つ変わらない日々が続いた


「…んな事俺に言われてもなぁ゙」
「俺だってカス鮫なんか頼りたくないしてか頼りにしてねぇけど」

「…こんの餓鬼ぃい゙」
「任務でオカマ居ないんだから仕方ねぇじゃん」
「つかよぉ…そりゃアレだろ」
「なんだよ」
「幸せだからだろ」

「は?」
「ボスさんと付き合ってんだろぉ?」
「…多分」
「幸せだから不安に感じるだけだろうがぁ」


そうなんだろうか
確かに10月10日、想いを伝えたあの瞬間すごく幸せを感じた

でも今の気持ちは『幸せだから』なんて簡単な理由なんだろうか
ボスが愛してるなんて言う訳ねぇじゃねぇかと鼻で笑うスクアーロ
他人事みたいな顔しやがって
(まぁ確かに他人事か)


「…別に愛してるとか言って欲しい訳じゃねぇけど」
「じゃあなんだぁ」
「…あまりにも前と変わんないから」
「…やっぱり幸せだからだぁ」
「スクアーロに話すんじゃなかった」

「ボスに直接言えば良いじゃねぇかぁ」
「何て?」
「………」
「何て?」

「…『チューして?』とかかぁ?」
「…恥ずかしい奴」
「俺がかぁ!?大体なぁ、こんなちいせぇ事で悩んでるテメーの方が恥ずかしいぞぉ!!」


バカデカイ声に耳を塞ごうとしたら低い、心地良い声が談話室の入り口の方から聞こえた


「うるせーぞ、ドカス」
「あっ、ボス」
「…何してんだ」
「あ〜、カス鮫いびり?」
「ベル、テメーなぁ゙…」
「うししっ」
「……行くぞ、ベル」
「はーい、んじゃあなスクアーロ」


ボスにクイと軽く隊服の襟を引っ張られて促されたから相談相手にもならなかったスクアーロに一言そう伝えてから先に出てしまったボスを追いかけた


「…んだぁ、あのボスがなぁ(案外上手くやってんじゃねぇかぁ)」




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