(えろ/ 臨→正→帝/ レンタル少年理論の続き)


朝起きて学校に行って、密かに恋心を寄せている帝人の隣に居て。
杏里と帝人との三人で他愛のない会話を楽しんで。放課後も三人で過ごして"また明日"と言って家に帰って一日を終える。
そんな日常がずっと続くと願っていた。そんな日常の変化なんて微塵も求めていなかったのに。
今、この状況が。正臣の日常の崩壊を意味していた。

にこにこと本当に嬉しそうに微笑む目の前の人物、折原臨也に正臣はキッと睨み付ける。
口には布、手足には縄で縛られており、喋る事はおろか逃げる事も許されない。せめてもの抵抗で彼を睨み付けるも、彼には効いておらず。むしろ彼の口元が余計に釣り上った気がしたのはたぶん気のせいではないであろう。
臨也は徐に、今正臣が入っている箱に手を伸ばし、正臣の足元にあった一つの文書を手に取った。
その表紙には、商品取扱説明書。という文字が書かれている。
ここからでは何と書かれているのか分からなかったが、正臣にとって有益な事が書いてあるとは思えない。
臨也がその文書をまじまじと呼んでいるあいだに、正臣はどうにかして逃げれまいかと後で縛られている手に力を入れて何度か揺すってみるが、その縄は簡単に解けないように頑丈に縛られており。今の抵抗も何の意味も持たなかったように、相変わらず緩みもしない。
正臣は頭の中で悪態を付きながらも、何度も何度も試みる。すると、突然。ふわりと体が宙に浮いた。
否、浮いたというのは正確ではない。正確には臨也に抱き抱えられたのだ。
これから何をされるのか見当も付かない正臣は、彼の行動の一つ一つが恐怖でしかなかった。

臨也は小さく肩を震わす正臣に気付いたのか、小さく笑みを零し、そのままベッドの上へと放り投げられた。
ふかふかとした布団だった為、背中を強打する事は無かったが、それ以上に恐怖と困惑で頭の中が付いていけない。
思わずじわりと涙が目に滲み、近付いてくる臨也に許して乞うようにふるふると首を小さく左右に揺らす。後に後ずさろうとするも、足を縛られており上手く動かせない。
臨也の手がそっと正臣の体の横に置かれ、彼の顔が急速に近くなる。鼻と鼻が触れる一歩手前の、この距離。
一瞬、息をするのを忘れていた。
(……助けてくれ、帝人っ!)
ぎゅっ、と目を堅く閉じて肩を縮めると、唇に突然の違和感。それは一瞬で、目を開ければ先程よりも近い距離で、面白いものを見た時の子どものように笑う臨也が居た。

「正臣君、夕飯は何が食べたい?」
「……。」
「あ、そっか喋れないよね?」

臨也は口元を歪ませながら、正臣の口を噛むように縛られている布にそっと指でなぞった。

「でも、外してあげない」

にたにたと笑みを崩さない彼に、正臣は睨み付ける。すると、怖い怖い。と笑みを零しながら手を上げる。
そんな臨也に腹が立ち、正臣は未だに顔の近い彼を強く睨み付け、顔を思いっきり逸らした。
すると突然肩を思いっきり掴まれ、そのまま布団に深く押し倒される。
突然の事に一瞬息をするのを忘れていた。
そして、彼は徐に正臣の顔の前に一つの文書を差し出した。それは先程、臨也が読んでいた商品取扱説明書と書かれた文書で。
そこに書かれていたものは利用規約や契約に関する事。そして、その中に注意文が書かれており、そこへと目を通せば、"レンタル期間を守れなかった場合、追加請求致します"とか"なるべく商品に傷を付かないようにして下さい"とか。
そして最後に"商品を壊さないでください"
その言葉が書かれていた。
つまり壊れなければ何をしても良い、という事なのか。という事が嫌でも理解してしまい、正臣は自分でも血の気が引いていくのが分かった。

そんな正臣に、臨也はそっと口付けてにたりと口元を歪ませた。
彼の行動で、これからされる行為を簡単に予想が付いてしまい、再び恐怖が湧き出てくる。手足が縛られており、彼に肩を掴まれ身動きの取れない状態で、せめてもの抵抗に首を左右に振る。
しかしそんな抵抗など皆無に等しく。

「正臣君は今は俺がレンタルしてるんだから、抵抗なんてしないほうがいいよ?」

耳元で囁くようにそっと呟けば、そのままぺろりと耳を舐め上げる。
正臣が肩を縮めて彼に目を向ける前に、臨也はぐいっと正臣の制服を上へと捲り上げた。
止めてください、という否定の言葉を吐き出したくても口にある布がそれを邪魔する。
顔を青ざめる正臣のそこから覗くのは、細い腰に少し引きしまったお腹、そして小さな乳首。臨也はその小刻みに震える体にそっと顔を近づけ、ぺろりと突起を舐め上げる。
その感触に、気持ちの悪さしか湧き出て来なくて。思わず目に溜まる涙。彼の舌と唾液の感触に目をぎゅっと瞑れば、それに比例するかのように涙が頬を伝った。
そのまま臨也の手が正臣のズボンに伸びていき、言葉にならない言葉で否定するが彼には伝わらず。
意味のない抵抗も空しく、彼はズボンの中に手を入れて柔らかく正臣のそれを掴む。
すると、彼は嬉しそうに"濡れてるけど、期待してた?"なんて囁いてきて。正臣は首を必死に左右に振るが、臨也は嘲笑うように正臣の自身をくにくにと弄っていく。
その感触に気持ち悪いような気持ちの良いような。
熱い息と唾液が布に染みていき、そこに染みきれなかった唾液を上手く飲み込めれなくて、口元にだらしなく垂れていく。
臨也は正臣の自身を弄りながらも、その唾液を舐め取るように舌を這わせ、そのまま唇にそっと唇を重ねた。
口にある布のおかげで彼の舌が口の中に入ってこないのだが、彼はそれを不満に感じたらしく。
あっさりとその布を口から外され、赤くなっている口元を気にする暇もなく、その唇が塞がれた。正臣はせめてもの抵抗にきつく口を閉ざしたが、自身を弄る臨也の手に翻弄され、思わず緩くなった口の中に彼の舌がすかさず入ってきた。
逃げる舌を無理矢理絡めたり、歯列をなぞったり。それでも自身を弄る手も休めずに。
必死で我慢をしていたのだが、それでも頭の中がほわほわとしてきて。背筋に走る衝動に、ぶるりと体が震えた。

「――っ、!」

臨也の口の中で言葉にならない言葉を叫び、火照る頬と苦しい息に眩暈がする。そして、じわりと冷たいズボンに、頭を無理矢理現実に引き戻された。
それを見れば思わず射精してしまった事に気付き、顔の熱が一気に冷める。
臨也はそれを見て笑みを深くし、そっと唇を離す。
はぁはぁ、と必死で呼吸を繰り返す正臣に、彼はその頬に一つ口付て。

「まだ時間はあるから、今日はここまでにしておこうか」

そう囁き、そっと正臣のズボンの中から手を出す。
そしてそこにこびり付いた正臣の精液を舐め取り、正臣が顔を歪めれば。"安心しなよ、明日には俺のを舐めさせてあげるから"
なんて耳元で囁かれ、吐き気を覚えながらも果てたばかりの体は忌々しい程に歓喜に震えていた。
そして彼はそのまま正臣から体を離し、そっとその部屋から出て行った。

一人残された正臣は手足が縛られているので、精液でぐしゃぐしゃのズボンを脱ぐ事も出来ずに天井を眺めた。
最大レンタル期間の三日を過ぎるまでの辛抱だと、頭の中で自分自身に励ましかけるも、これから汚くなっていく自分が嫌で嫌で。溢れる涙を拭う事も出来ず、唇を噛み締める。
大好きな幼馴染の名前を頭の中で何度も呼びかけながら平穏な毎日が戻る事を願い、そっと瞳を閉じた。




レンタル少年理論 2




少年が涙を流す同時刻。
この違法の人身売買を目的とした雑誌に映る一人の少年は、裏社会で反響を呼び。
レンタルを予約する人々が殺到し。レンタル期間終了後、直ぐに回収業がやって来て休む間もなく次の予約の人に渡るとしても三か月はぎっしりと予約が詰まっているという異例の状況となっていた。
…さぁ、貴方はレンタルしますか?




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レンタル少年理論の続きです。
裏を書くのは久しぶりすぎて、途中で中断しました←




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