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今日で新学期が始まる。
野球部員も無事に全員進級して俺達は3年生だ。


「同じクラスだな。」
「…そうだね。」


クラス分けの張り紙を見上げていたら隣に純が並んだ。
野球部で同じクラスなのは純と増子か。


「…今日誕生日なんだってな。おめでと。」
「……」
「な、何か言えよ!」
「…気持ち悪い。」
「き…ッ!?」


確かに今日は俺の誕生日で間違っていない。
この時期は丁度新学期が始まるタイミングだから割と忘れられがちなんだけどな。
学校に来て初めて祝われるのが純っていうのが気持ち悪い。
ていうか純みたいな奴が俺の誕生日覚えてるとかないから。絶対ない。


「小湊、誕生日おめでとう。」
「え、小湊くん今日誕生日なの?おめでとー!」


教室に入った後も既にいた増子に祝われ、近くにいた女子が大声で言って、クラス中に伝染した。
何これ、ほんとやめてほしいんだけど。
更に休み時間には別のクラスの哲や丹波までがわざわざ「おめでとう」を言いにきた。
……原因はひとつしか考えられない。
今日は新学期初日だから午前中で学校は終わり。
グラウンドに直行する前に俺は2年の教室へ向かった。


「ナベちゃん早く部活行こう!」
「ちょっと待ってよ。てか名字プリント出したの?」
「えっ、何それ!?」


2年の教室をAから順に覗いていって、Dクラスでやっと元凶を見つけた。


「でも私早く部室言って亮さんのロッカーに…」
「何するつもり?」
「!? りょっ、りょりょりょふっ…」
「呂布じゃない。」
「何故ここに!?」


丁度席が廊下側だったから教室には入らず声をかけると大きく反応した。アホっぽい。
ていうか俺のロッカーに何するつもりさ。


「今日俺の誕生日って、みんなに教えたのお前だろ。」
「ヒュ、ヒュ〜、何のことですかねぇぇ?」
「嘘下手すぎ。口笛できてないし。」


忘れられていてもおかしくない俺の誕生日を、ここまで野球部員の奴らが覚えてるはずがない。
去年はマネージャーが祝ってくれた程度だったのに、絶対おかしいでしょ。


「ふん、バレたのならしょうがない!お誕生日おめでとうございます亮さん!いえーい!」
「うざい。」


ハイテンションでうざいこの後輩は2年のマネージャー、名字名前。
なんか去年の夏が終わったくらいから部員の誕生日を祝いまくってる姿を見ていたから、原因はこいつしか考えられなかった。


「というわけでマカロン作ってきたので食べてください!」
「……」


普段の素行は女子としてどうかと思うところが多いけど、料理というスキルだけは異常に高い。
何、マカロン作るって。普通作ろうと思わなくない?


「何でマカロン?」
「亮さんに似合うと思って!ピンクで可愛いし、ふわふわ柔らかいのかなーって思わせて硬いし!」
「無自覚の悪口むかつく。」
「え!?悪口じゃないです!」
「まあ、貰うけど。」


こいつが作るものは何でも美味いのは知ってるから貰うけど。
もしかしてロッカーにこれを入れるつもりだったのかもね。


「あ!明日は樋笠のお誕生日なので亮さんもご協力を!」
「はいはい。よくやるよね。」
「お誕生日係なので!」
「…何それ。」


俺達のマネージャーはほんとおせっかいだ。






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