08
こんにちは、白ひげ海賊団のアイドル、ナマエです。
…ごめん言い過ぎた。マルコのアイドル、ナマエです。
突然ですが空前絶後の大チャンスが到来しています。どうしようこれ。どうしようこれ。いやいやまず落ち着くのよ私、深呼吸よすーはー。
「……」
マルコが…マルコが…!甲板で壁に寄りかかって昼寝してるなんて…!!
しかも何それ!片足たててその膝の上に腕乗せちゃって…何そのイケメンポーズ反則だよっ。
いつもなら2メートルくらいで気付かれちゃうのに、今日は1メートル、更に30センチ近づいても起きる気配はない。
「……」
こんなところで無防備に寝られたらね、そりゃ私だって調子に乗りますよ。
膝をついて、マルコの寝顔を下から覗きこんでみた。い、いろっぽい…!耳を澄ませばマルコの寝息が聞こえるもんだからドキドキしてきちゃった。
だってやばいですぜこれ。あまりのやばさに隣に腰を降ろしてみました!えへっ!それだけでものすごく幸せを感じてしまう私はそろそろ末期ってやつなのかな…。
今マルコが起きたらどんな反応するかな?ふふ、怒るんだろうな。
「……だいすき。」
目を覚ましたらナマエがおれの肩を枕に使っていた。
「……」
いや、まず最初に…何で?
おれは一仕事終えてここで休憩してて、陽当たりがいいせいかいつの間にか寝ていたらしい。
まあ…予想するに、おれが寝てる隙にかこつけて近づいたんだろうが…何でナマエまで寝てんだよい…。しかもおれの肩を枕代わりに使うなんていい度胸してやがる。
「はぁ…。」
これじゃァ動けねェよい…。
「ったく…」
こうして大人しくしてりゃァ……可愛いのにな。
いや、大人しいナマエっつーのも違和感があるな。想像すると笑えるよい。
カシャッ
「……何してんだよい…」
「いやあ、微笑ましいもんでつい。」
シャッター音が聞こえたと思ったらサッチがカメラ片手にニヤニヤしながら立っていた。
何こいつ。すっげェむかつくんだけど…。
「これナマエが見たら喜ぶだろうなー。」
「いい笑顔してるぜ?」
「!おいッ」
ストン
「ーー!?」
おれがナマエに微笑んでる写真なんて本人に見せられるわけねェだろい…!
思わずカメラに手を伸ばしたら、おれの肩に寄りかかっていたナマエが下…つまりおれの膝の上に落ちてきた。
いやいやいやこれはまずい。何がまずいって…そりゃ…、アレだ、まずい。
いやいやいや別におれは変な気なんて起こさねェけどな!?他の男だったらアウトだぞ普通…!つか何でこいつ起きねェんだよい!結構な衝撃だったはずだろい!
「くんくん…っこれはマルコのにおい゛」
「退け変態!!」
もぞもぞ動いたと思ったら鼻をすり寄せてきやがった。
こいつは本当にもう…呆れるくらいアホだな。ちっ、何一人で慌ててたんだおれは…。
「ちょ、マルコ!どっちかと言ったら悪いのはマルコの方だよ!こんなところで無防備に寝ちゃって…通りかかったのが私だったからよかったものを…」
「お前以外危害を加えるやつはいねェよい。」
−後日−
「おいナマエ、いいもんがあるんだけどよ…」
「だぁぁぁっしゃい!!」
「? マルコ今日テンション高いね。」
■■
ここまでです。
閲覧ありがとうございました。
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