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01

「はぁ…。」
「どうしたナマエ、悩み事か?」
「うん……。」


甲板の隅で溜息をついていたナマエにエースが声をかけた。
ナマエの憂いを含んだ瞳はエースに向けられても変わらない。ナマエは伏し目がちに頷いた。
エースとナマエが白ひげ海賊団として生きていく事を決めたのはつい最近。新しい環境に慣れないのかもしれない。


「マルコって何であんなかっこいいんだろう……」
「……」


しかし次の瞬間、ナマエが溜息まじりに呟いた言葉にエースは呆れかえる。心配したおれがバカだった、と。


「だってマルコってさぁ、正直おっさんじゃん。髪型変じゃん。」
「まぁ…。」
「なのに何であんなかっこいいんだろう。」
「……さぁな。」
「何がかっこいいって、まず喋り方よね。」
(聞いてねェ。)


うっとりと地平線を見つめながらマルコのかっこいいところを上げ始めるナマエ。
そして飛んでいる鳥を上手そうだを見つめる、帰るに帰れなくなったエース。


「“よい”って!“よい”って!あーもうかっこよすぎる……ねっエース!」
「いやなんとも……」


マルコの声を脳内再生したのだろう。ナマエが顔を赤くしてエースの背中をバンバン叩いた。
同意を求めてくるが、あの語尾をかっこいいと思ったことはないし、第一ここでエースが同意したらそれはそれで嫌だ。


「あの喋り方はきっとマルコだからかっこいいのよね。」
「ふーん……」
「だからエースが真似しても1ミクロンもかっこよくならないよ。」
「しねェよ。」
「それからね、マルコって強いじゃない!?」
「ああ、まあな。」
「しかもその強さをひけらかさないじゃない!?」
「そうだな。」
「……かっこよすぎるでしょ!!」
「そうか。」


そろそろエースの集中力が限界に達してきた。ナマエの惚気は右の耳から左の耳へと流れていき、相槌が適当になっている。
それでもナマエの興奮は収まらず、更に3つ4つとマルコのかっこいいところをあげていく。


「それにマルコの能力知ってる!?」
「ああ。」
「そう不死鳥!何その素敵な設定…!」
「……」
「見たことある!?すっごく綺麗なんだよ!?あのマルコが!おっさんが!」
「……」
「それからね、なんといっても優しいの!」
「あー、うん。(今日の晩飯何かなーー。)」


エースは飛ぶ鳥を見ながら「焼き鳥がいいな」と心の中で呟いた。





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