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「ディーノさんいますか?」
「よおツナ!」
「10代目!!おはよーございます!!!」
「二人とも!!!」


ツナはボンゴレリングを返そうと、ディーノがいるであろう中山外科病院を訪ねた。
すると、そこには山本と獄寺の姿が。2人の手にはボンゴレリングが握られていた。


「つーかなんで!?なんで獄寺君と山本にも…!?」
「選ばれたからだぞ。」
「ディーノさん!名前さん!…リボーンも!!」
「名前!?」
「おー、久しぶりだな!」


ツナの疑問に答えたのはさっきまで家にいたはずのリボーンだった。隣にはディーノと名前が並んでいる。


「それ入れたの私なの。本当は手渡ししたかったんだけど…9時過ぎちゃってたから起こすのも悪いなーって…」
「俺が9時に寝てると思うか!?」
「あっはっは、相変わらずおもしれー!」


昨日、雲雀のところで思わぬタイムロスをしてしまったため、嵐と雨のリングは2人のポストに投函していったらしい。


「ボンゴレリングは全部で8つあるんだ。そして8人のファミリーが持ってはじめて意味をもつんだからな。」
「!?」
「お前以外の7つのリングは次期ボンゴレボス、沢田綱吉を守護するにふさわしい7名に届けられたぞ。」
「なぁ!?オレ以外にも指輪配られたの〜〜〜!!?」
「そうだぞ。ボンゴレの伝統だからな。」


ボンゴレリングは初代ボンゴレファミリーの中核だった8人が後世に残したもので、それからファミリーは代々必ず8人の中心メンバーが8つのリングを受け継ぐ掟なんだと、リボーンが説明した。
そこでやっと朝リボーンが言った「後継者の証」の意味を理解するツナ。


「10代目!!ありがたき幸せっス!!身のひきしまる思いっス!!」
「(めっさ喜んでるよ!!)」


ファミリーの中核に選ばれたことがわかった獄寺は拳を震わせて喜んだ。


「あっあの綱吉さん!実は、私もなんです!」


そこに名前も嬉しそうに、首にかけているリングをツナたちに見せた。


「名前さんもー!?」
「何でこんなヤツに…!!」
「えへへ…頑張りますね!」
「(この人もやる気満々だー!)」
「名前のリングは『風のリング』。獄寺のは『嵐のリング』で山本のは『雨のリング』だな。」


パッと見は同じような指輪だが、よく見てみると指輪に刻まれている模様がそれぞれ違っていた。
リボーンが言うにはこの指輪の模様は初代ボンゴレメンバーの特徴を現しているとのことだ。

すべてに染まりつつすべてを飲み込み包容する 「大空のリング」
常にそばにあり原動力となる風韻 「風のリング」
すべてを洗い流す恵みの村雨 「雨のリング」
荒々しく吹きあれる疾風 「嵐のリング」
なにものにもとらわれず我が道をいく浮雲 「雲のリング」
明るく大空を照らす日輪 「晴のリング」
実体のつかめぬ幻影 「霧のリング」
激しい一撃を秘めた雷電 「雷のリング」

それぞれが今のところツナと名前と山本と獄寺と雲雀と了平の手に渡った。
残り2つのリングの所有者はまだリボーンと家光しか知らない。


「つってもお前達の持ってるリングだけじゃまだ…」
「ちょっストーップ!!とにかくオレはいらないから!!」
「あの…わりーんだけどさ…オレも野球やるから指輪はつけねーなー。」


いまいち話がわかってないらしい山本の言葉に獄寺は頭にきて、ツナは仲間ができたと喜んだ。


「それに…そんなの持ってたら大変なんだって!!昨日のロン毛がまた狙ってくるんだよ!?」
「「!!」」
「ロン毛…?」


ツナがそう力説すると、2人は急に真剣な顔つきになった。
終いには、山本はやっぱり指輪を自分の手に握って、獄寺は威勢良く意気込んで行ってしまった。
2人に指輪を返させようとした言葉だったが、まったく逆効果だったらしい。

更にその後「晴のリング」を受け取った了平が元気良く来て、了平の家庭教師になったコロネロと嵐のように去って行った。


「あ!そういえばリボーン私の家庭教師って…」
「そんなもんいねー。テメーで見つけろ。」
「えええ!?」
「(ひでぇーー!!)」


名前の質問をリボーンは衣装チェンジをしながら適当にあしらった。


「ディーノは!?」
「オレは別の生徒の家庭教師だ。」


焦った名前はディーノに頼ったが既に違う生徒を任されているらしく、あえなく撃沈。


「ディーノさんも!?あ…もしかして獄寺君と山本のカテキョーですか?」
「いいや…更なる問題児らしいぜ。」
「!」


ディーノの「更なる問題児」という言葉に名前はピンときた。


「じゃっ、じゃあ私、誰か家庭教師になってくれる人探してくるね!失礼します綱吉さん!!」


とたんに名前は冷や汗を浮かべて挙動不審な言動を残して逃げるように出て行ってしまった。
目を合わせてくれなかった名前を不思議に思うディーノだが、後々この意味がわかることになる。





■■
次回、兄含むヴァリアーサイド。





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