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01


帝光中学男子バスケットボール部。強豪校として名を馳せており、特に最近は逸材も多く更に注目を集めている。前年度は1年生ながらのエース、青峰の力もあり初の全中制覇を成し遂げた。それによって部活全体の士気も上がり、部員数も増え、全中2連覇を目指して練習に励んでいる。
しかし帝中バスケ部は今、重大な問題に直面していた。


「ちょ、ちょっと、もう少し考え直してみてよ!」
「ごめんなさい先輩……私もうついていけません…!」


平日の夜遅くまでの練習に土日の試合……選手はもちろんだが、マネージャーにとっても非常にハードなスケジュールだった。
最初は10人以上いたマネージャーも、バスケ部の名が売れて練習が厳しくなっていくにつれどんどん減っていってしまった。
今では2年の桃井と、3年に2人いるだけ。しかも3年生は今年の夏で引退してしまう。
そして1年生の最後の一人も、桃井が止めるも虚しく走り去っていってしまった。


「またか……。」
「はい……。」


このままでは今年の夏以降は桃井一人で60名以上の部員を支えなければいけないことになってしまう。それに桃井の仕事は主に情報収集と分析。部員の面倒ばかり見ていられないというのが正直なところだった。


「……緊急ミーティングだ。1,2年を集めろ。」
「はい。」











「今日もまたマネージャーが一人辞めて残るマネージャーは3人になった。このままでは夏以降、桃井一人になってしまう。」


一つの教室に1,2年生を集めて、前に立つのは次期キャプテンに決まっている赤司征十郎とマネージャーの桃井さつき。2人は深刻な表情で教室を見渡した。


「そこで新しいマネージャーを捜すことにする。」
「おおっいいね賛成!」


新しいマネージャーを捜すことには誰もが賛成した。
何故ならマネージャーの人手不足による仕事が選手……主に2軍3軍にまわってくるからだ。
そしてもう一つ……厳しい練習の中で、やはり女子マネージャーという存在は彼らを癒してくれるのだ。思春期真っ盛りな彼らにとってその効果は絶大だ。


「ただし。またすぐに辞められては困るから条件をつける。」
「条件?」
「まず忍耐強いこと。これは必須だ。」
「確かになあ…。」


実際にモデルの黄瀬がバスケ部に入ってから、一時的にマネージャー希望の数がすごいことになった。しかしその時入ったマネージャーは誰一人残っていない。ミーハーな動機では長続きしないことは明白だった。


「他の条件をあげてくれ。」
「1年か2年だよな。」
「バスケの知識も少しはあると助かるなー。」
「黄瀬目当てじゃない子。」
「可愛い子!」
「料理上手い子!」
「巨乳。」


希望を言えばキリがない。
どんどん出されていく私欲丸出しの条件を、赤司は律儀に書き取っていった。


「……ということで桃井、この条件に合う女子を探してくれ。」
「本気で言ってる?」





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