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暑い夏真っ盛りな今日。

今は、あるお寺で滞在している。

まぁ、明日の夜発つようだけど。


お昼は、暑くてかなわんという事で、夜中に出発するみたいだ。


でも、本当に暑い。

干物になってしまう。


私は、今お寺の縁側で大の字になって寝転がっている。

一応、木々が日差しを遮ってくれてはいるが、それでも暑い。


『お天道さま、お願いだから引っこんでくれ〜』


顔に貼りつく髪の毛を払いながらにっくき太陽を木々のすきまから睨む。


すると、鼻に強烈な痛みが走る。


『ッ痛!!!』


慌てて起きあがって鼻の頭を押さえて、目を白黒させながら、攻撃してきた人物を見る。

そこには、私と同じくらいの歳の男の子がいて私のことを鋭い目で睨んでいた。


「貴様、我の前で日輪を侮辱するなど焼け焦がしてくれるわ。」


そう言って丸い武器を模した物を構えてくる少年。

え?何この状況、全然飲み込めないんだけど。

日輪って太陽のことだよね?え?何に怒ってるの?

暑いやら、突然の攻撃やらでイライラしていた私は、先ほどまで鍛錬に使っていた木刀をとる。

なんだ、このガキャァ、今の私に触れると怪我するぜぇ、って気分だ。


とりあえず、振りかぶって攻撃してきたのでそれを木刀で受け止める。

そして、それをはじき返して私からも攻撃を仕掛ける。


「っく、貴様やりおるな。」
『どうも、てかキミ誰?』


とりあえず、名ぁ名乗れや。と睨めば、待ってましたと口を開く少年。


「我こそは日輪のもうsッゴフ!!」


名を名乗ろうとした少年に生まれた隙にすかさず、私が殴られた位の力で鼻の頭をグーで殴る。


っはっはっはは、私は根に持つタイプなんだよ!!


鼻を押さえて私を睨む少年にニヤリと笑う。


どうだ、痛いだろ、私も痛かったんだぞ。

っあ、今更鼻血が……

今更タラリと垂れてきた鼻血に気をとられていると
何時の間に立ちあがったのか少年に今度は頭を武器で叩かれた。


『いったあぁぁ!!!』


あ、頭が割れる!!!

頭を押さえてしゃがみこむと頭上で、っふん、と鼻で笑う声が聞こえたので睨みつけると
そのあくどい顔に似合わない鼻血が鼻からタラリと垂れていて怒りを忘れて噴き出してしまう。


「っな、貴様!!何故笑う!?」


私を気持の悪い物でも見るように見てくる少年。

私は、Mじゃないぞ。


『キミっはな、っはな、が……!』


と笑いながら顔を上げると同時に彼も何故かップと噴き出す。


『な、なにっ』


何で、ここで笑うんだと少年を見るとおかしそうに腹を抱えてる。

鼻血を垂らしながら、そうもう一度言おう、鼻血をたらしながら。

未だに気付いてないのか、この少年は、こんな冷徹そうな顔をしておいて、鼻血に気付かないとは。

おかしくなり、私も彼と一緒に腹を抱えて笑う。



しばらく笑い転げてると、手に何かがポタリと落ちる。
見て見るとそれは、血でもしやっ!と鼻を押さえれば鼻血が垂れていた。


っく、私とした事が、鼻血の事を忘れてるなんて!
だから、少年は笑っていたのかっ…!!


鼻を押さえたまま少年を見れば私と同じように鼻を押さえて固まる少年。

そして、またップと2人して噴き出す。


今度は、ちゃんと鼻を押さえて。






『ねぇ、何であそこで怒ったの?』
「貴様が日輪を侮辱したからだ、忘れたとは言わせんぞ。」


団子片手に、ギロリと睨んでくる少年、松寿丸くん。

日輪を侮辱って、お天道さまに引っこんでって言ったからか…


『だって、あまりにも暑いからさ〜』


そう言って、唇を尖らせれば頭を叩いてくる松寿丸くん。

暴力反対ーー!!


そう言って松寿丸くんの方を見れば、ッフンと鼻で馬鹿にしたように私を見ていた。

だけど、その鼻には鼻血が出ないように詰め物をされていて、また噴き出しそうになる。

この子、さっきから何でこんなに私のツボをついてくるの。

まぁ、鼻に詰め物をしているのは私も同じなんだけど。





変わった太陽信者


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