なんと言うか朝から、いや昨日から様子のおかしかった八左ヱ門たちを問いただして
流されながらも昼になってやっと話を聞くことが出来たと思ったら『ベットの下の缶ケース』だと

ベットの下にある物と言ったら限られてきてさらに缶ケースといえば思い当たる物と言ったら一つしかない。

隣にいる雷蔵も勘右衛門の言葉に私と同じ事を思ったのか表情は硬い



「………思い当たる物はあるが、お前たち…中を見たのか?」



そう問えば一斉に顔を若干赤らめる奴ら
その表情で確定してしまった事実。



「………一応言っとくがあれは私の物じゃないぞ。」

「だよな!じゃぁあれ三郎盗んで来たのか!?」



朝の会話を思い出して顔を自分でわかる程歪めながら言えば食いつき気味に身を乗り出してくる八左ヱ門

何こいつら、なんでこんなに食いついてくるの、キモチワルイ

他の2人も同じ意見なのか身を乗り出してくる。



「それも違うよ。」



こめかみを押さえながら私の変わりに否定する雷蔵

誰があんな物盗むか。ていうか盗むのなら私はもっとちゃんと隠す。



「じゃぁあれは誰のなんだ?」



真剣な目でこっちを見てくる兵助

さっきのお前顔がマジだったからなんかヤバい話しだと思った私が馬鹿だったよ。

やっぱりこいつらもそういうお年頃な訳だ。



「三郎の彼女のか?」

「いや、でも確か今いないんだよな」

「じゃぁ大穴でお母さんのとかww」



完全に面白がっている勘右衛門の頭を殴る

名前の下着をじっくり見たことはないけど思わずあいつの下着をつけてる母親を想像してしまった。

それは雷蔵も同じなのか笑顔のまま勘右衛門を殴っていた。
「冗談なのに〜」と涙目で殴られた頭部を撫でる勘右衛門、いいざまだ。



「あれは僕たちの幼馴染みのだよ。」



ため息をはいて昼飯を口に入れる雷蔵

その言葉に勢いよく反応を示す3人



「何それ!?女の子の幼馴染みとか初耳!」

「可愛いのか!?美人なのか!?」

「写真あるか?」



がっつきすぎて気持ち悪いなコイツら

言細かに名前のことを聞き出そうとする奴らに適当に返事をする



「美人とか可愛いとか考えたことなかったなぁ…う〜んどっちなんだろう。」

「じゃぁ、写真見せてよ!」

「写真?ほら」



ポケットから携帯を出してデータフォルダを開く探せばないこともないが全ての写真が顔を隠して撮られている



「顔見えてないじゃん!!」

「写真撮られるの嫌いだから…」

「、スタイルいいな……」

「足も長いのだ。」

「ムチッとしてて身体は俺好み!」

「人の幼馴染を厭らしい目で見るな!」



写真は前に名前が家で課題を消費していた時のもので顔は教科書によって隠されてぶれているが、それ以外の身体はばっちり撮れており比較的薄着の部屋着を着ている名前の身体を見て鼻の下をのばす奴等にすぐさま携帯をしまう。


すぐに隣に座っていた八左ヱ門の頭を殴る雷蔵も勘右衛門にヘッドロックをかけている。
いいぞ雷蔵もっとやれ!



「っ痛ぅ、思いっきりやったな三郎この野郎」

「当たり前だ。」

「まぁ、でも雷蔵のアレは幼馴染のなのか。」

「?」



勘右衛門の頭から手を離した雷蔵が首を傾げて八左ヱ門を見る

それに八左ヱ門は雷蔵の靴下を指差す

つられて見てみると雷蔵の上履きの間から見える可愛らしい靴下



「あ、間違えてはいてきちゃったのか。」



見覚えがあるその靴下は名前のもので家で洗って取り入れていた物を雷蔵が間違ったのだろう



「何それ、その幼馴染の?」

「うん。」

「靴下なんて置いてく程よく来るのか?」

「家で洗ったのを間違ってはいちゃったみたい。」



照れくさそうに頭をかきながら言う雷蔵に勘右衛門が僅かに目を見開く



「何その半同棲みたいなの!?」

「いや、別に半同棲ってわけじゃぁ…ん?でも言われてみれば半同棲みたいだね。」



名前ほとんど毎晩来てるもんね。と天使の笑みで私に同意を求めてくる雷蔵のその笑顔は鼻血もんだけど雷蔵それは言わない方がよかったかも…


顔を見合わせる3人にめんどくさい展開しか思いつかない。



「じゃぁ今日も来るんだよね!その幼馴染ちゃん!」

「え……」

「そういやあの新しいゲーム買ったって言ってたよな!」

「あ…」

「決定なのだ。」

「…さ、三郎〜!」



私へと助けを求めてきた雷蔵にため息を吐いて首を振る
こうなった奴らはしつこそうだ。



「別に家にくるのはいいが、幼馴染が今日来るっていう保証はないぞ。」







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