涙は悲しみの色


これの裏ルート




わたしはあなたが嫌いだけど、仕事は別です。
カリエドから新しく奪った女は、生意気にそう言って俺の上に跨った。意味のわからない言動に少し苛立ったが、どうやら性欲処理のことらしい。手早く脱ぎ始めた女の腕を掴んで逆に組み敷く。嫌悪感を丸出しにした表情に、ぞくぞくした。

「お前、あいつのところでもこんなことしてたのか?」
「あなたと違って、親分はそんなことしない」

優しいひとだから。
ふにゃりと愛おしそうに笑った女の耳朶に歯を立てる。身体ごと跳ねた女を押さえつけ、目についた首筋に噛みついた。

「お前はもう俺の奴隷だろ」
「わたしは、お前じゃなくてなまえって名前です」
「あ?」

普通知らねえよ奴隷の名前なんか。
正直に言った俺を睨み付けてくる女を睨み返す。名前の何が重要だってんだ、こいつは。

「…もういいです、さっさと終わらせましょう」

ふい、と横を向いた女の下着を取り去り、するりと撫でる。元から敏感な質なのか、それともカリエドに調教でもされていたのか、耳と首筋を噛んで舐めただけでぬるんだものが指に絡まった。手加減せず二本の指を突き立てる。

「お前、拐われの身のくせに濡れてんのかよ」
「っはやく、おわらせて、ください」

あまりに急かすので、適当に慣らして挿入する。痛いのか、顔を隠している女の腕を押さえて、顔を見えるようにしてやる。涙を溜めた瞳には屈辱の色が浮かんでいて、自然とにやけてきた。

「かわいい顔できんじゃねえか」
「…〜っぁ、んん!」

必死に声を漏らさないようにしていた女が、あからさまに動揺して鼻にかかった声を漏らした。同時に、きゅ、と締まった内部に口端が上がる。
へえ、かわいいって言うと感じんのか。

「こんなんで感じるなんてかわいいなお前」
「うる、さ、っあ、あ、やだ…!!」

切羽詰まったように頭を振るのにも構わず、浅く何度も抜き差しする。不規則に締め付けてくるところから考えると、もうすぐイきそうなのだろうか。

「ぁ、…や、っん、ぅあ…ッ!」

一際大きく身体を跳ねさせた女が時間をかけて力を抜き、薄く目を開いた。
まだイかないんですか。
目がそう訴えている。

「お前がイくの早いだけだろ」

膝を抱えてもう一度奥まで突く。真っ赤になった女の頬を、涙が伝った。




―涙は悲しみの色―

(あ、あっ、親分…っ!)
(っ奴隷は黙って抱かれてろ)


2011.08.20
いれる側の気持ちがわからなすぎてつらい

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