船上にて


これの後の親分ルート




「あっあっ、おやぶ、ん、イ…ッ!」
「親分より先にイくなんて許されへんで?」
「あ…んぁ…」

数時間前、行為中に親分に奪い返されてから、ずっとこの調子だ。懐かしい自分たちの船の揺れの中、親分は何度も何度も達する寸前で止めてくる。前までより、ずっと意地悪な抱き方で、もどかしくて仕方ない。

「やだ、おやぶん、イかせてよぉ…!」
「…あいつにも」
「?…っ、あ」

気持ちいいけれどイくには足りないようなゆっくりとした動きでわたしの中を混ぜ返しながら、低い声が問う。
あいつにも、こうやって喘いだんか。
怒っているような、悲しんでいるような緑の瞳に、きょとんとしたわたしが映っていた。違うよ、必死に声を出す。

「こ、れは、おやぶん、だけ…あ、んっ」
「…ほんまに?」

何度も首を縦に振ると、ふにゃりとした笑顔が、せやけど、と続けた。男らしい力強い指が、繋がっているそこをなぞる。

「ココにあいつのモン入れとったんには変わりないやんな?」

お仕置きせなあかんなあ。
お仕置き、という言葉に背筋がぞくりとする。表情に出さないようにはしたけれど、親分はきっと気がついただろう。

「なんや、お仕置きして欲しかったん?」
「…っぁ、ちが、」
「違わないやろ」

がつ、最奥を思いきり突かれて目の前が白んだ。さらに立て続けに何度も凶器のようなそれが突き立てられて。

「あっ、あ!っこれじゃ、すぐ、いっちゃ…っ!」
「イくときは、ちゃんと、言うんやで」

苦しいくらいに体を折り曲げられたまま、こくこくと頷く。

「あっ、ん!…っちゃ、い、っちゃう…!」
「…ええよ、イけ、」

膝を押さえつけられながら浅いところをめちゃくちゃに突かれて、思考回路がぐちゃぐちゃになって。耐えきれずに目を閉じる。

「っく、い、く、っあ、あ、あぁぁあぁッ!!」
「……っ」
「──…っは、は、ぁ」

浅く呼吸を繰り返しながら、まだ健在の下半身の違和感に気づく。

「もしかして、親分、まだ」
「ん?ああ、せやね」

もうちょい落ち着いたらもっかいしよか。
照れたように頬をかく親分に頭を撫でられながら少しだけ瞼を閉じる。船はまだ私たちの家には着かないようだ。




─船上にて─

(っん…ん!?)
(寝とったやろ。親分より先にイったのも含めてまたお仕置きせな)


2011.10.02
長えよ!と思って必死に短くした結果がこれ。

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