金持ち美形×貧乏平凡
 
 
 
 
 
 



 
 
俺が思いを寄せている彼は大学の人気者。
顔良し、頭良し、性格良し。
その上超がつくほど金持ちだ。
 
俺はというと家族も居ないし親戚も見たことがない。
顔も頭も悪くは無いが人並みだ。
そして彼とは反対に超がつくほど貧乏だ。
 
でも俺が住むマンションは結構広い。
何故かって?
幼なじみが金持ちで、その親が大学までは住む所は提供してくれるって言ったからな。
本当は学費も生活費も全部出すって言ってくれてたんだけど、断った。
 
幼少期に親を亡くした俺の親代わりになってくれた人達。
これ以上は迷惑かけらんない。
家賃も就職したらちょっとずつでも返すつもりだ。
 
 
 
そんな俺が彼に近付けるはずもなく。
いつも遠くから見ているだけ。
卒業しても絶対交わることのない俺たち。
だからこのままでいいんだ。
 
 
 
 
 
 
 
 
「ちょっとだからアタシが機会作ってやるって言ってんじゃない!」
 
幼なじみは所謂腐女子というやつで、何かと俺と彼をくっつけたがる。
実はマンションの隣室に住んでいてよく俺の部屋に来てる。
まあ、同い年の女だといっても兄弟みたいなものだからいいのだが。
 
 
「今度彼の誕生日パーティーあるの。アタシ招待されたから一緒に行こう?」
 
「俺そんな高級なスーツ持ってないし、無理だって。」
 
「何言ってるの?アタシの服着るのよ!」
 
「は?」
 
 
コイツに無理矢理女装をさせられたことは何回もあるが、それはいつも家だったからで。
いくら俺が華奢な体つきだからといってもバレるだろう。
 
 
「大丈夫だって!アンタ女装似合うもの。平凡な顔が一番化粧映えるのよー。アタシの腕を信じなさい!」
 
 
 
それから暫く押し問答をして断ったのに何故か女装をしてパーティーに行くことになってしまった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
パーティー当日がきてしまい、半強制的に化粧をされ、ハニーブラウンのカツラをかぶせられ、ピンクを基調とした可愛いめの洋服を着せられた。
勿論、短パンだ。タイツも履いている。
 
パーティーだからといってもドレスじゃなくていいんだな。
 
 
「当たり前でしょ。まだ大学生だし、出会いを求める会でもあるんだから。アタシもいい男探さなきゃー!」


さいですか。それはようござんしたー…、と不貞腐れながら鏡を見ると美人ではなく、どちらかといえば可愛い系の美少女が立っていた。
 
これ、俺…?
別人過ぎる、というか女の子じゃん。
 
 
「どう?可愛いでしょ。自信作〜」
 
と笑いながら言う幼なじみに心から拍手したくなった。
 
 
 
これなら今日1日だけ、彼の側に居てもいいかもしれない。
少しシンデレラになった気分だ。

 
 
 







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