愛故に(宮緑←高) | ナノ
 

故に



嫉妬故にの番外編



「それは良かったじゃん」

今日は真ちゃんとお出掛け

昼食を取りながら駄弁っている途中真ちゃんが最近あったことを話してくれた

何故か真ちゃんは宮地さんの事になると凄く素直で、自分が思ってる事、嬉しかった事、何でも話してくれる

真ちゃんをそこまでメロメロにさせちまう宮地さんが羨ましくって

だけども応援していた

ふたりが幸せでいることが俺にとっての幸せだから


「さぁて、次は何処に行きますかね」

「お前に任せる」

「そうだねぇ・・・真ちゃんってアクセサリーあんま付けねぇよな?見に行ってみる?」

「必要無い」

「まぁまぁ、そう言わずに、任せるって言ったのお前だぞー」

っていう事で半ば強引にアクセサリーを見に来た


「俺のオススメの店、今度宮地さんとふたりで来てみれば?」

「・・・そうだな」

お?これは気に入ってくれたのかな

ほんっと宮地さんの事になると素直なんだから、かわいいなぁ


「あ、これほしー、お揃いにしようよ」

何気なくふたりでネックレスを見ている時、突然聞こえてきたカップルの話し声

それを見た後何となく真ちゃんの方を見ればそのカップルを見ている真ちゃんがいた


「・・・」

「・・・真ちゃんって宮地さんとお揃いの物持ってないの?」

「・・・・・」

ありゃ、黙りになっちゃった

「ほしいって思う?」

「・・・俺はほしくても先輩がどう思うか解らないのだよ」

なんだ、そんなことか

気にすることねぇのに

宮地さんだって真ちゃんと同じ気持ちに決まってるじゃん


「買えやいいじゃん、一歩踏み出さねぇと後で後悔するぞ」








ーーーーー・・・



あの時は本当にふたりの幸せを願っていた










「それは違うだろ!?」

今日は真ちゃんとお出掛け


なわけなくて、この間の結果が知りたくて呼び出したのはいいものの、真ちゃんは少しやつれていた


首には痛々しい程の痕がいくつもあり、よく見れば顔にも赤い所がいくつかあった

その原因があのネックレスだと言う


「真ちゃんはただ、宮地さんにお揃いの物をプレゼントしようとしただけじゃん!」

それなのにこんな酷い痕を付けられて

その酷い事を「愛だから」と片付ける宮地さんも宮地さんだし信じちまう真ちゃんも真ちゃんだ

そんなの絶対に違う・・・!


「なぁ、真ちゃん、今ならまだ助かるから、俺が何とかするから」

「・・心配することない、大丈夫だ」

「大丈夫なわけ無いだろ・・・!」


この先絶対、今よりもっと酷くなる

そうなる前に何とかしなくちゃいけないのに、どうして解ってくれないんだよ・・・!


「宮地さんに真ちゃんを任せられない」

「高尾・・・、」

「そんな奴に真ちゃんは渡さねぇよ!!」


暫しの沈黙が走る

冷静を失った俺とは裏腹に、真ちゃんは冷静に口を開いた


「愛してくれていると言っていた、だから心配ない・・・全て愛故の行動だ、俺も宮地先輩を愛しているから良いんだ」


――意味わかんねぇ

       愛されてる?

 自分も愛しているから良い?


愛があれば何でも許されるって?



全て自分にとって嬉しいことなのかよ・・・



「じゃあ俺も何しても許されるのか?」

愛があればなんだっていいんだろ?


「真ちゃんの事、1番大事に思ってる」




だから、





「だから俺は真ちゃんの事を守る、もう宮地さんの所には帰さねぇ」


例えお前の幸せがあの人と居ることでももうその幸せを与えてやる事はできない

これが俺の愛故の行動


いつまでも貴方を守り続ける。



end


(121105)



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