気付いちゃいけなかった気持ち






俺には好きな人がいる



こんな感情駄目だってわかってる

だけど







好きになっちゃったんだよ・・・






―――・・・






ガチャッと玄関が開く音と共に一瞬高鳴る心臓


いつもと同じように深呼吸をして笑顔でおかえりって言うんだ


「おかえり」


「ん、ただいま勇人」


「今日も勉強教えてくれる?」


「いいよ、数学?」


その言葉に頷くとご飯食べ終わったらね

と優しい声で言われた


その声にすらドキッとしてしまう

顔が赤くなってないか不安になる・・








ーーーーー・・・















「それで、ここにXを代入して・・・」

「あ、なるほど」


ご飯を食べ終わり、約束通り勉強を教わる


たまに触れ合う腕

その度に高鳴る鼓動


勉強に集中できない



「・・勇人、聞いてる?」


「え?・・あ、うん」


「じゃあここ解いてみて?」


その問題をみるときっと俺が聞いてないうちに教えてくれたであろう問題


「・・ごめんなさい、聞いてなかった」

「やっぱり・・・最近何か悩んでんの?」



悩んでるよ・・・

でも言えない


そう思い下を向くと思いがけない言葉が



「好きな人でもいるの?」




「え?」



いきなりでびっくりする


どうして・・そこまでわかっちゃうのかな・・・


「で?いるの?」


その言葉に思わず顔が赤くなる


「いる・・よ」


一瞬シンとなる


「・・・そっか」


その興味なさそうな言葉にズキンと胸が傷んだ


言わなきゃよかった・・・

そう思ったとき兄ちゃんの大きな手が頭に乗っかった


「ま、頑張れよ」



ーードキッ



優しく撫でられた頭


ドキドキする心を押さえる


この思いがバレないように、目を細めて微笑んだ




*end*



ーーーーーーーーーー

失恋がこんなにも悲しいなんての栄口視点でした。


終わり



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