始まる新世界

ここでは私達は番号で呼ばれる。例えば私は185番。私達もそんなことは気にしない。だって捨てた親から貰った名前などあってもなくても変わらないから。
毎日血と腐った死体の臭いが渦巻く実験室だって慣れてしまえばどうってことない。かなりの確率で死にかけるけど、幸か不幸か私はまだ生き延びている。
そんなある日少年がやって来た。見たことはあるが話したことはない。とりたて目立つ子でもなかった彼は私に手を差し伸べるのだ。

「一緒に来ませんか?」

私になにが出来るというのだろう。実験で異常になってしまった化物が堂々と青空の下を歩けると?そう言うと彼は笑い声を漏らした。

「ならば、僕達の手で世界を変えてしまえばいい」


(薄暗い牢獄から見える空は、青く透き通っていた)



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