「キイチとエースってよ、結構似てないようで似てるところがあるよな」


「そうかー?」



サッチの言葉にハルタが首を傾げる。そこで、丁度その場に集まっていた隊長達が口々に話し出す。



「あぁ、分かる」


「前のスイカの食い方とかそっくりだったよなァ」


「いやぁ、それもあるけどさー」


「それ見れなかったんだよなぁ、俺…」


「落ち込むなってクリエル」



しょんぼりとするクリエルの肩を叩くラクヨウ。実は同じくスイカを食べているキイチを見れなかったため、クリエルの気持ちがよく分かるラクヨウであった。



「俺もこの間、キイチとエースのそっくりだと思う瞬間を見たよい」


「え、何なに!?」


「この前な……」



≡≡≡≡≡≡




「「マルコ」」


「ん?」



同時に呼び止められたマルコは後ろを振り返る。そこには互いに顔を見合わせたエースとキイチ。二人で「あれ?」と言うように首を傾げている。こちらが首を傾げたい。



「どうしたんだい?」


「いや…手合わせでもしようと思って」


「俺は、この前の一番隊の経費の書類について聞こうと思って」


「じゃあ先にキイチの話から聞くよい」


「俺はー?」


「終わったらな」


「んじゃ、甲板行ってるから!」


「おう」



走り去っていくエースを見送りつつ、キイチと向き合う。キイチの持っている書類を覗き込み、いくつか貼られている付箋に視線を移す。



「どこだい?」


「こっちの計算が合ってないのと…あと、ここの経費の使用についてなんだが…」


「あぁ…こっちは単純に計算ミスしただけだな。ここのは……、書かせた奴が悪かったない。後で締めとくから待っててくれ」


「分かった。じゃあ、あとはエースの相手をしてやってくれ」


「ははっ、頼まれたよい」



キイチの頭にそっと手を乗せ、マルコはエースの後を追うようにして歩いていった。




≡≡≡≡≡≡




「同時に呼び止めるとか…!」


「そんなことあったんだ…」


「普段のアレじゃあ考えられないよなぁ」


「俺もそれはやられたことある」


「マジかよ、ジョズ」


「何かもう…可愛く見えてくるわ…!」


「え…エースが?」


「ハルタも末っ子は可愛いだろ?」


「うーん………まぁ……うん…」


「超微妙な返事!」


「まだ話はあるよい」


「何!?次の可愛い話は何!?」


「サッチ、ちょっとキモい」


「真顔!!」












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