『キッド兄、この三毛猫どうしたの?』
「あー……勝手に着いてき「にゃあああー」…拾ってきた」
『だろうね。キッド兄の懐から出てきたんだし』
「何でそんな小汚い猫なんかを拾ってきたんだよテメェ」
「ふしゃー!」
「いだっ!!何だコイツ引っ掻いてくるぞ!!アル、気を付けろ!!」
『いや、ロー兄の自業自得でしょ。私には何にもしてこないよ?この子』
「ちっ、性格歪んでやがるな、コイツ」
「『(お前(ロー兄)にだけは言われたくないだろうな(なぁ)…)』」
「にゃー」
『ねぇキッド兄、この子びしょ濡れだからお風呂入れてあげようよ。というか、キッド兄この子と一緒にお風呂入ってきなよ。同じくらいびしょびしょなんだから』
「……そうだな」
「なーう」
「ならばアル、俺と一緒にアルも風呂に」
『そういえば牛乳あったかなー』
「そんなことをしなくても俺の白濁」
『あ、牛乳あった。えーと、鍋はどこだったっけ』
「………」
「(馬鹿だなコイツ)」
「にゃー」

≡≡≡≡≡≡

『わ、綺麗になったねこの子』
「にゃ」
『はい、ホットミルク作ったから飲んで。猫ちゃんのはこっちね』
「おう、あんがとな」
「にゃー」
『よく飲むね、この子。お腹空いてるのかな』
「だろうな。捨て猫だったみたいだし」
「にゃう」
『はいはい、お粗末様です。どうしよっか、家で猫飼ってもいいのかな』
「家に猫アレルギーの奴はいないだろ」
「たった今猫アレルギーになった。そいつを捨ててこい」
「ふしゃー!」
「いだっ!またコイツ引っ掻いてきやがった!!」
「本当にコイツ学習能力ないよな…」
『ロー兄の頭ってどうなってるんだろうね。我が家の七不思議の一つだよ』
「待て、我が家の七不思議って何だ」
『1、ロー兄の頭の中。2、お姉ちゃんの胃袋。3、キッド兄の髪。4、お父さんの顎の傷』
「おい、俺の髪型も入ってんのか」
「お前鏡見てこいよ。重力に逆らいすぎだろその髪型」
『あとは…5、お兄ちゃんの職業。6、お母さんの行方。かな?』
「7つ目は?」
『7つ目を聞いたら死んじゃうんだよ。キッド兄』
「何!?」
「つーか、お袋は世界一周旅行に行ってんじゃなかったか?」
「は?俺は親父に愛想つかして実家に帰ったって聞いたぞ」
『え?私は病気で入院してるって聞いたけど』
「「『………』」」
「にゃー?」


我が家の七不思議?
(そういえば誰も"お兄ちゃん"について何も言わなかったなー)

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