零僕 |
「よう、いーたん」
「なんでしょう。哀川さん」
突如現れた哀川さん。いつもながらのよくわからない原理の登場毎度の事お疲れさまだ。
そして、ぼくは突っ込まない。
例え哀川さんが黒魔術の魔方陣の中から召喚されたって。
例え哀川さんの性別が変わったって。
例え哀川さんが片手に気絶した零崎がいたって。
例え哀川さんがサンタ(ミニスカ)のコスしてたって…
「最後のは兎も角、ぼくは突っ込みませんからね」
「つれねーよな。いーたんってば、それにいつになったらアタシを名前で呼ぶのかなぁ?
潤ちゃんったら拗ねちゃうぞ」
「どうぞ。そこらの部屋の端っこで拗ねてください。全力でやって頂いて構いませんよ。ぼくは何も見なかったことにしますんで」
「その気遣いは無用だぜ。いーたん。そんな事をしにサンタのコスしてそこら辺で甘味食ってた零崎くんを捕まえてきたわけじゃないからな」
じゃぁ何しにきたんだよ。
ていうか甘味食べてる途中に気絶させられて連れてかれたのか、零崎…。どこまでいっても不憫な奴。何時の間にそんなに不憫になったのだかわかりゃしない。
そもそも今日はクリスマスだが、どこかの某塚某来さんみたいにぼくはリア充じゃないから生憎誰かと過ごす予定は無いけどなんだか面倒くさそうだから予定あることにしておこう。
あ、因みに某塚某来さんってのは管理人の後輩のリア充なんだって。ついでにあだ名がリア充だから採用したいたいだよ。
管理人個人的にはどうでもいいけど使えそうだから使ったみたいだね。
「心の中でメタ発言してる所悪いが時間が無くてな。早めに済ませていいか?」
「時間が無いなら零崎ごと急いだほうが良いんじゃないですか?」
「そんなにあたしのことを心配してくれる打なんて…いーたんってばやっさしー。ひゅーひゅー。ってな訳で、歌え」
「無視ですか。というか、え?」
歌え?何故このタイミングで、そして零崎を捕まえてサンタのコスしてまでぼくに歌わせる理由が見当たらない。
でも哀川さんのことだから「理由なんてアタシが聞きたいからだ。それ以外の理由が必要なのか?」的なこといいそうな気がする。
「ほらな、クリスマスが今年もやってきた〜って曲あるだろ?」
「ありますね」
わざわざCMとかで流れてる声で歌う必要があったか否かは残念ながら僕には分からなかったが、その歌唱力があればぼくいらなくね?
かえってよくね?
「ただな、その歌の題名は思い出せても歌詞が思い出せないんだよな。
なんか【楽しかった思い出を消し去るように〜】的なのだった気がするんだけど、それもクリスマスに歌うか?じゃん」
「まぁ、確かにクリスマスに楽しかった思い出を消し去ってどうするんだって話ですよね。でも、哀川さん。ぼくもその曲の続き知りませんよ。」
それに今の聞いたら【楽しかった思い出を消し去るように】だったきがしてもきたし。
「えー、いーたんもしらねーの?えーえーえーえーえーえー意外ー」
「すみません。ではぼくはこれで、このあと用事があるので」
「即席で差し当たりの無い嘘つくのはよくないと思うぞ。いーたん?」
「え、なんのことでしょう」
「うんうん。いーたんのそういう所も結構好きだぜアタシは。ただし、ちょっとばかり今はいただけないな。だから零崎くんとクリスマスを一緒に過ごせ。これ命令な」
「は?」
「零崎くんあと1分で起きるから、よろしく!」
「ちょ、哀川さん!!普通にいやです!」
「聞こえないぜ!!あっはっはっはっはっはっは!!メリークリスマス!!!この寒空の下二人で過ごすがいい!!
そして潤サンタが二人にホワイトクリスマスをプレゼントしちゃうぞ☆」
「なにその地味な嫌がらせ!!」
「アデゥー」
哀川さんは去っていった。思い荷物を降ろしたかのように軽快に
あぁ、正確にも降ろしたんだったなこの荷物。
何ゴミだったっけ?
資源ゴミだったかなー
「う、うぅ…ここは、…………………………………………夢だな」
「残念ながら夢じゃなく現実さ。それても現実逃避したいならクリスマスは今年もやってくるーとか歌ってなよ」
「そうか、そうだな。
クリスマスは今年もやってくるー楽しかった出来事を消し去るように〜」
「え、マジで歌うんだ」
「おぉ、つかこの歌詞おかしくね?楽しかった思い出消し去ってどうするんだよ」
「だよね。」
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