歪みない零崎





学校も終わり、カツンカツンと…………ってぇ
もうプロローグ的な同じのをずっと書くのも面倒くさいよね。
これ見てくれてる人はきっと「またかよ」って思ってるに違いない。


そういうわけで、ぼくは扉を開けた。




「ただいまー」


「んー……」




そして、毎度の如く零崎の声が返ってきた。
TVのある部屋にいるのかと思ったが、今日はいないようで、ちょっとキョロキョロしてみた。


あ、いた。


零崎はぼくの部屋にいた。そこはパソコンが2台あるので使いたいほうだいだ。
零崎もパソコンしてた。
ぼくは零崎をとりあえずスルーして着替え始めた。




「あ、そういえばお前…」


「何?」


「今日は私服なんだな。ぼくは軽く吃驚してるぞ」


「…………そうかな」


「そーだよ」




そうなのです。今日零崎は私服でした。制服着てませんでした!
勿論ズボンもチェック済み。今日はジーパンだった。


なんか安心した。




「何やってんの?大乱闘か?」


「そだよ」




と、心無い声で返す零崎。
「ふうん」とぼくも心無い声で返した。

しっかし、よかったよかった。
自分の鏡にツッコム日々もこれで終わりなんだな…。でもよくよく考えてみれば別にそんな心配するほどのことでもないかもしれない。
ただ零崎も着替えるのが面倒だっただけかもだし、……うん。そうだったんだ。


勝手に自己完結したぼくは再び零崎をチラ見して[さてと、ぼくもパソコンでもやろうとするか]と意気込んだ。




「………………?」




あれ? アレレ?

なんか変だ。




「んー?」




ぼくはもう一度零崎をチラ見した。
あと付け足しておくけどぼくはチラ見が好きなわけではないのでそこんトコよろしく。


で。またもう一度見てみた。




「!」




The 見つけた。気付いた。ってな訳で声に出しましょう。

せーっの!




「何でお前制服のシャツの上にブレザーみたく私服着てちゃかり襟は出してんだよ!!」


「え!!?」


「え!!? じゃないよ。ぼくはお前の格好に「え!!?」だよ!!」


「格好いいじゃん!!」


「格好悪いに決まってんだろぉおおおお!!!!」




このとき、自分より頭の回転が速い筈の零崎がバカであると再度分かってしまった。

因みに。

この姿を零崎の家賊に見せたところ全員が口をそろえて「格好悪い」と言っていたのでなんか満足だ。
あ、いや、一人だけ「悪くない…くない」と言っていた気がする。






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