「ケイ、ごめん………俺バカだった」
「………壮一」
壮一が、俺のとこにきて開口一番謝った。
「俺、おかしかった。ケイが好きで仕方なくて、傷つけた………ごめん」
苦しそうに壮一は顔を歪める。
「壮一、いいよ、もう」
「ケイ、ダメだよ、そんな簡単に」
「恭介と、ちゃんと付き合うことになった」
「え、」
「ある意味、壮一のおかげ」
「……それで幸せだからどうでもいい、ってか。……はぁー」
「まあ、どうでもいいなんて思ってないけど、謝ってくれたし、十分だよ」
「そーですか、……ケイ、俺諦めないよ」
「え、」
「今度はちゃんと振り向かせるし」
「そこは、諦めていただくと、」
「ムーリー」
「壮一……」
「んじゃ、明日学校で」
「……うん」
じゃあ、と別れる俺と壮一。
俺の向かう先はただひとつ。
ごめん、壮一。
壮一を想う隙間なんて、無いんだ。
「恭介、ただいま」
「おかえり、ケイ」
俺と恭介の世界は、誰にも邪魔させないから。