ボク、勇者様を殴る

「うーん、今日もいい天気でバイト日和だなぁ」

 学院からの帰り道、そんな事を言いながら帰宅したボクは、帰ってすぐに父様の書斎に呼ばれた。
 バイトがあるから手短かに話してくれるといいんだけどな。

「先日、勇者様が現れたのはお前も知っているな? その勇者様付きの従者にお前が選ばれたぞ、リオン。我がダルタニー家の名に恥じぬように頑張りなさい、ハァーハッハッハッ!」

 父様、浮かれてるとこ悪いけど今、なんて言った?

「一週間後にお城で対面式が行われるから用意しておきなさい、ハァーハッハッハッ!」

 はあー、全然ボクの言葉聞こえてないね、こりゃ。まあ、無理もないけどさ。
 勇者様付き従者なんて普通は上級貴族がなるもんな。

 なんだって自他共に認める貧乏貴族ダルタニー家嫡子のボクが選ばれたんだろ?
 っていうか、従者になるんじゃバイト辞めなきゃいけないじゃないか!
 あんな割のいいバイトなかなかないのに。

「今夜はパーティーだ! ハァーハッハッハッ!」

 ……浮かれる気持ちは分かるけどパーティーなんて止めてよ? お金がもったいないじゃないか!

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