ボク、勇者様を殴る
父様から従者の件を聞いてから一週間後。
今日はお城で勇者様の従者になるボクの叙任式と勇者様との対面が行われる為、ボクは父様と登城した。
今ボクがいるのは控えの間なんだけど、かなりお金かかってるっぽいなぁ。お城なんだから当たり前なんだけど。
う〜ん、あの燭台一つでボクん家の一ヶ月分の生活費になりそうだよな。っていうか、控えの間なのにボクん家のパーティー並みに料理が並んでるし。
しかし、さっきからチクチクした視線とヒソヒソ話を(ボクに聞こえるように)している上級貴族連中ときたらうっとおしい!
なかでも一番うっとおしいのはアトス。あいつ、王様の姪の息子だから自分が選ばれると思ってみたいだし?
学院でも自分で決まりだとか大口叩いてたからな。でも、取り巻き連中にボクが身体で従者の座をとったんだろとか言い回るのって失礼だろ!
まあ、剣も魔法も中の上って成績のボクが選ばれたから仕方ない気もちょっとはするけどね。
と、謁見の間の準備が出来たみたいだ。
さて、勇者様ってどんな人かな?
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