イタリア男子と英国紳士(フィ→円←エド)
あぁ、腹が立つ。
彼…フィディオ・アルデナは、呼び出した時間ギリギリに到着したあげく、道を
歩く間も女性を口説き続けている。
「アルデナ」
「…ん?なんだい、エドガー?」
あぁ、本当に腹が立つ。
「気安くファーストネームを呼ぶんじゃない。」
「いいじゃない、君と俺の関係だろ?」
「ど・う・い・う関係だ!?」
本当にこの男の考えていることは分からない。
解せないのが腹立たしい。
全てのイライラを一つの溜息に変換して、言葉を続けた。
「君は一体何がしたいんだ?」
「何が…って。」
「女性に声を掛けるのなら、他でもやれるだろう?私を呼び出してどうしたいんだ?
」
こう尋ねると、彼は楽しそうに微笑んだ。
悔しい程、綺麗な笑みで。
「あぁ…いや、エドガーにも用があるんだけど…かわいい女の子に声をかけない
のはイタリア男子たるものどうなのか、と思って。」
確かに。
「綺麗な女性には、確かに声をかけますが…それは英国紳士の役目でしょう?」
「ははっ…変態と言う名の?」
イラッ
「アルデナ?君は本当に私に腹を立たせたいのか?」
「あ、ごめん。気に障ってしまったかい?最近見たジャッポーネのアニメでやって
たんだけど…」
ジャパン?
「エンドウ…」
気高い、とは決して言えないが、太陽の輝きを持つ彼の国?
「エドガー、君もマモルのk…あぁ、ジャッポーネのキャプテンだもんね、彼。」
「マモル…?」
「うん。お互いにファーストネームで呼び合ってるけど…」
悔しい。何故か悔しい。
目の前のこの男だけが彼のファーストネームを呼んでいるなんて。
…え?
自分の思考にびっくりした。
私は…アルデナに嫉妬している?
「気付かれちゃったか…まぁいいや。マモルは譲らないよ?」
やはり…こいつも。
「えぇ…だが敵は多い…彼は関わる全ての人間に」
愛されているのだから。
イタリア男子と英国紳士
(言いたかったのはこのことかい?)(うん、そう。)
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