Black valkria




「闘いの生態系!闘いの食物連鎖!雑魚は誇り高き獅子に触れる事すら、出来ない事を教えてやる!」


再び、海馬のターン。既に奴は狙いを定めている様で、早速戦闘を仄めかす発言をした。相手は多分、


「『ブラッド・ヴォルス』!凡骨にダイレクトアタックだ!!」


「く…!」


壁モンスターもいない城之内に狙いが定まるのは自然は事。城之内の様子からすれば伏せカードも、ブラフの可能性が高い。
どちらにしても、この攻撃で城之内が大ダメージを受ける事は必至だろう。城之内はダメージを覚悟して身構える。





「ワハハハハ!死ねぇ…!」


不意に海馬の高笑いが消え失せる。城之内の場に隣の遊戯の場のホーリー・エルフが現れ、城之内を守ったからだ。


「このゲームでは隣り合う者なら、援護する事が許されている…俺はデュエリストとして、友との誓いを果たす!」


驚き、目を剥く海馬に遊戯はそう言い放つ。そんなルール誰も聞いてねぇぞ、コラ。





「フフ…成る程な」


納得してるって事はいいのか、その取って付けた俺ルールは。
守備力の高いモンスターに攻撃してしまった為、海馬はその差分のダメージをライフに受ける事になる。
遊戯のホーリー・エルフの登場には一瞬、面白くなさそうな顔をした海馬だったが、すぐにも、嫌な笑みを浮かべた。


海馬 LP4000 → LP3900





「ひ弱な雑魚は精々遊戯に身を守ってもらうがいい。所詮凡骨はどこまでも哀れなデュエリストよ…」


「てめぇ…もういっぺんぬかしてみやがれ!」


「貴様等が友情ごっこで、デュエルのお約束を果たしたいのは結構な事だ!――だが、よく考えてみろ…城之内。何故、遊戯が貴様ごときを助けなければならないか…」


「な…っ」





「教えてやる。準決勝しか、お前等の闘う舞台はないからだ!」


「何!」


「城之内、貴様が決勝に進出出来る可能性は0!!他のどの相手でも、勝つ事は不可能。実力等言うに及ばず…遊戯も、準決勝でしか、貴様と闘うチャンスがないと理解しているのだ」


「更に城之内なら、準決勝を楽に勝ち抜ける事も計算づくだ。ククク…!」


同情も度を越すと、相手を余計惨めにさせちまうって事か。
お友達を馬鹿にされ、遊戯は海馬のわざとらしい挑発に簡単に乗りやがる。





「海馬、それ以上の侮辱は俺が許さねぇぜ!城之内君はバトル・シティを勝ち抜いた真のデュエリストだ「遊戯!もういい!」


「最後まで、俺は俺の信念で闘う!なぁに海馬の言う事なんざ気にもしてねぇさ!決勝で会おうぜ!遊戯!」





「どうでもいいけど、お喋りは後にしてもらえないかい」


後つっかえてんだ。無駄話なら、このデュエルが終わってからにしろよ。


「ほらほらぁ、デュエル続行だよ…俺のターンだ!」


|



- ナノ -