「さっき、僕がプレイヤーキラーだと言いましたよね…――紫乃さん!あなたにデュエルを申し込みます!僕が負けたら、スターチップ2個差し上げます〜」
「え、2個もいいの」
「ただし、条件があります〜あなたはスターチップの代わりに……そのぬいぐるみを賭ける」
「だ、駄目だッ!!」
キラリと怪しく目が光ったかと思ったら、キール君はびしっと千年お姉さんを指差した。
咄嗟に腕に抱いているぬいぐるみを強く抱き締めた。このぬいぐるみにはお姉さんの魂が宿っているんだ。
……絶対に他人の手に渡せない。
「僕…可愛いぬいぐるみを集めるのが大好きなんです。友達の影響で特にくまさんが。お喋りするぬいぐるみはもっともっと好き。でも…
「お気に入りのぬいぐるみをバラバラにして遊ぶのはもっと大好きなのです〜」本当に背景がお花畑で蝶々まで飛んでいそうな可愛らしい笑顔なのに非常に邪悪な笑い声。可愛いみてくれだが、彼はかなりの危険人物らしい。
≪何か、この子何かヤバイわよ。私の本能がヤバイって叫んでいるわ≫
そんなキール君の様子にお姉さんですら怯えた。こう言う電波っぽいのは天敵らしい。
お姉さんの思わぬ弱点を知れて得した気分だか、そうでないんだか…。
「デュエリストなら、挑まれたデュエルに……逃げたりしませんよね〜」
挑発的な笑みを浮かべながら、キール君は指を鳴らした。その合図で地面から、デュエル・リングが現れた。
断ったら断ったでなんか怖いよ。私は渋々デュエル・リングに上がった。フィールドを挟んでキール君と目が合った。
「オレはスターチップを2個賭け、あんたはそのお喋りぬいぐるみを賭ける」
一瞬、キール君の瞳がギラッと光った様に見えた。
「楽しいデュエルになりそうですね〜じゃ、デュエルスタート〜!」
「す、すたーと…」
陽気な声でキール君はデュエル開始を宣言した。もう、やるしかあるまい!
紫乃 VS キール LP2000
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