( 俺様会長崩壊な件について )



もう無理だ。
俺は今まで頑張った。


友人の『ちゃんと俺様を演じないと可愛い妹にお前の恥ずかしい写メ送るゾ』と脅され今まで頑張ってきた。


行事の挨拶では唯我独尊発言をぶちかまし、下がりそうになる眉毛をムリヤリ釣り上げ、山のような仕事は『会長は仕事が早いんだよ』というわけのわからないこじつけで誰よりも早く終わらせた。誰よりも量が多いのに。


これまで俺は友人だけでなく、全生徒、いや、この学園にいるやつら全員の期待に応え続けてきたわけだ。


にも関わらず、だ。


なんだこの目の前の茶番劇は。



「会長、ひどいですよ。ヒカルにそんなこというなんて」

「そうだよぉ。せっかくヒカルが優しくしてくれたのにぃ」

「会長……ヒカル……いじめる……だめ」

「お、お前ら……っ、ありがとなっ(ニコッ)」

「「「ヒカル……っ」」」



なんだこれ。
頭痛いんだが。

俺はただ生徒会室で静かに仕事がしたいだけだったんだ。

それを、お前、生徒会室からムリヤリ連れ出されそうになってそれを拒んだくらいで号泣とか、ねーだろ。


てか役員共。
お前らの仕事誰がやってっと思ってんだ。
目の前に広がるこの書類の山が見えないのか。



それともあれか。
これも会長だからか。


だったらもう知るか。



「あー、もううるさい」



奴らがこっちを見る。



「もういい。やめる。俺会長やめる。副会長、お前今日から会長な」


「な、なにいって」


「もーやだ会長とかだるい。なんで言いたくもないこと言わされて俺様ぶんなきゃなんないわけばかじゃないの。しかもこんなクソガキの世話まで見なきゃなんねーとかまじねーわ。つーかなに。会長はお前らの分の仕事までしなきゃなんねーわけ。だったら最初っからお前ら必要ねーじゃん。なんで俺が、睡眠、時間とかまで、削って、うう〜…、ぐすっ」



ちくしょう。
泣くまいと決めていたのに。
ここ何ヶ月かの地獄のような日々を思い出したら勝手に涙が……。



「もうやだ帰るっ」




そういって生徒会室を飛び出した俺に萌えたとか萌えないとかそんなことはどうでもいいんだ。


おわれ

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