コウキ様は言った。
それはもう楽しそうに。
おもしろいもんもらった、と。
コウキ様はクーラーボックスのようなものから試験管を取り出した。
その中には液体と小さな球体が何個か入っていて、注射針のない注射器でそれを半分ほど吸い上げると俺のアナルと尿道に入れた。
そしてそれぞれにバイブで栓をした。
残りの半分は松井様に渡すらしい。
俺はいれられたものがなにかわからなくてただただ期待に興奮した。
*
半日ほどそのまま放置されていたが、次第にペニスとアナルの中に違和感を感じた。
「ん………っ?」
ぷちん、ぷちん、と何かが弾ける感覚に身体が反応する。
「な、にっ、あっ?」
得体のしれない感覚が、快感を生み出す。アナルでは何かが前立腺の上を這うような感覚に目眩がする。
「なにっ、これっ、やば、ああっ」
体を丸め快感に耐えていると、コウキ様が戻ってきた。
「時間より早いな」
俺は言葉がでず、よだれを垂らしながらコウキ様をみる。
「トキ、後ろをしめてみろ」
コウキ様はにやにやと楽しそうに言う。
その言葉に素直に従うと。
「や、ああっ、ああっ、あっ、」
ぐにぐにとなにかが動いている。
「ひ、いっ、なにっ、やっ、あっ」
決して大きくはないが、バイブやローターとは全く異なる動きに戸惑ってしまう。
「力を緩めないようにバイブをぬけ」
「は、はい、」
四つん這いになり、腰を高くあげて上半身で体を支える。そのまま足をひらき、間からアナルに入れられたバイブに触れる。
その間も体の中でなにかが蠢く。
「んっ、んっ、」
バイブをずるずるとひきぬくと、それにあわせて中の何かも一緒に動く。
「やっ、やあーっ、なにっ、やらっ」
快感と恐怖でバイブを引き抜く手が止まる。
「ひっ、あっ、あっ、」
するとそこでまたなにかが動くのだ。
きりがない。
「トキ」
コウキ様の声にバイブを再度引き抜き始める。
自分の意志とはいえ関係ない排泄に似た感覚に体がおかしくなる。なんとかバイブをひきぬくとすぐにきゅっとアナルをしめた。
アナルのなかのなにから外を求めて暴れているようで指でアナルを抑える。
「んっ、んっ、んうっ、」
なんとか快感をやり過ごそうとしていると今度は違うところからの刺激に目を見開いた。
「あ、あー――っ、」
今度はペニスの中で何かがあばれだした。半分までいれられたバイブを中から押し出すようにせりあがってくる。
「ひ、あ、あ、なに、なにっ、これっ」
前と後ろの快感に自然に腰が揺れる。
「やだぁ、やだっ、こわっ、んーっ」
ゆっくりと射精するような感覚に涙が零れた。徐々にせり上がり、バイブもあと少しでぬけ落ちそうだ。
だが、コウキ様がバイブをゆっくりと押し戻す。
「やっ、ああ、あーっ、」
だしたい、だしたい、のに。
「んっ、あーっ、やだ、やだぁ」
後ろも後ろで暴れている。なにかが。でも許されていないから出すことはできない。
「コウ、キ様っ、たすけっ」
快感が快感かわからなくなる。
あまりにも強烈すぎて。
また尿道のバイブが少しずつ押し出される。
「ひっ、いっ」
すると今度はコウキ様はアナルに指をいれてなにかを奥へと押しやった。
そのまま俺の腕を素早く腰のところに固定する。
「あ、あ、あ、」
アナルを再度せり上がるなにか。
前立腺を這い、出口を目指す。
「あ、あっ、でる、やだ、やだぁ、」
四つん這いで腰をあげているのでなにもかもがコウキ様に丸見えだ。
ぐに、とアナルが中からひろげられ、なにかが外へと這い出した。
「ひ、う、あ、あ、う、」
ずるりと、出ても、またもうひとつ、もうひとつ、ときりがない。
そしてそれは太ももや背中をを這い回る。
「やだぁ、やだ、なに、あっ、あーっ、」
なめくじのような、たこのようなよくわからない生き物。
それが今度はペニスから出てこようとしている。
ペニスのバイブが抜け落ち、精子にまみれて少し白くなってるそれがぬるりと出てきた。
何体も何体も。
永遠が射精が続くような感覚におかしくなる。
それらはペニスや乳首に絡みつき、今度は体外から俺をおかした。
コウキ様はまたもや楽しそうに、松井様にあげるはずだった残り半分を、やっぱりやめたと注射器で吸い上げた。
end