「あっ、はっ」
「ちっ、ちゃんと手え動かせグズ」
狭い個室で必死に腰を振る。
ご主人様を満足させなければ、俺に平穏はないのだ。
そもそもなぜ今日はこんなことに――。
ご主人様の休日 - act.T「俺今日休みなんだわ」
ご主人様……もとい、コウキ様の部屋に呼ばれなにかと思えばそんなこと。休んでいればいいじゃないか、俺朝飯作んなきゃなんないんだけど――などと言える訳もなく曖昧な返事をする。
「つーことで、楽しませてな」
そういって差し出してきたのは、メイド服だった。
「コウキ様、これは……」
「ん?お前の」
「はあ、」
「ほら、着ろ」
「着ろって」
「今、ここで、すぐ、どーぞ」
コウキ様は一度言ったらやめないのだ。諦めてネクタイを外した。
こんな170を越す俺に着せてなにが楽しいのだろうか。
「もうちょっと恥じらいながら着てほしかったな」
すみませんね。あんたのせいでんなもんどっかいきました。
「まあいいや。今日はそのかっこでよろしく。あ、萎えるから下着脱げよ」
「……………」
無言で下着を脱ぎ捨て、これを着る前に着ていたスーツを持ち、部屋をあとにした。
そのあとはコウキ様に朝食を食べさせ、キッチン、リビング、玄関を掃除。
そして屋敷に5つあるトイレを掃除していった。
コウキ様のお部屋に一番近いトイレを掃除し始める。まずは棚の上を拭き、鏡を綺麗にする。そしてタンク、蓋と磨き、便器を掃除しようとしたときだった。
ガチャ
「あ?んだよ掃除中か?」
コウキ様がトイレへと入って来た。
「あ、コウキ様お使いになられますか?では今出ますので、」
「ああ、いい。見てるから」
「…………は?」
「たまにはお前の働きっぷりでもみようかと」
「はあ、では続けさせて頂きます」
そのまま俺は便器を掃除し始めた。
コウキ様はドアに寄りかかりこちらを向いているわけだからコウキ様に背中を向けてしまう。
となると。
「いい眺めだな」
なにも身につけていない下半身が丸見えなのだ。
「スカート、もうちょい短いと丸見えなんだがな」
何が、とは怖くて聞けない。
「おい、もうちょいケツあげろ」
俺はコウキ様に言われたら逆らえない。なので手を便器につき床に両膝をついて腰を浮かせた。
「足ひらけ」
言われた通りに足を開く。
コウキ様の手が内股に触れた。
ひくりと体が震える。
「感じてんなよ、淫乱」
顔を見なくてもにやりと笑っているのがわかる。調教したのはあなたですよ、とはもちろん言えない。
「コウキ様、」
掃除中なんですが、そう言おうとしたら。
「なんだ、誘ってんのか?」
そんなことをいじわるそうな笑みとともに言われてしまったのだった。
*
そして一番最初に戻る。
俺は四つん這いのままコウキ様のものを後ろで受け入れてる。
トイレを掃除しながら。
「てめえこら、掃除してんのに汚してどうすんだよ」
「も、申し訳っ、ああっ」
じゃあ腰動かすのをやめてくれ、そういいたくてもいえない。
俺の前からは次から次へと溢れ、床を汚していった。なにが悲しくて自分のものを掃除しなきゃならないんだ、と思っても、いつもしていることだと言い聞かせ懸命に腕を動かす。
「ほら、頑張れよ。応援してやるから」
「ああっ」
コウキ様、それは応援じゃなくて邪魔してるんです。そういいたくなるほど的確に俺の感じるところを突き上げてきた。
そのとき、達するときとはまた違う感覚が俺の中から湧き上がった。
「あっ、あっ、コウキ様っ」
「ん?」
「ちょ、一回、すみませんっ」
「どうした?」
俺の様子がおかしいのに気付いたのか腰の動きを緩める。止まってくれないのが鬼畜だよなほんと。
「すみません、あの、トイレに……」
「ここだろう」
「んっ、そうじゃなくて、っ」
「ん?」
わかってるくせに知らんぷりをするコウキ様にいらつく。
にやにやとした顔がほんとにかっこいいからさらにいらつく。他の奴だったら変態だよただの。
「だからトイレに」
「トイレはここだって」
「うう……」
「ほら、ちゃんと言ってみろ」
耳元で囁かれ体がふるえる。
「お、おしっこが……」
「うん?」
「おしっこが、漏れそうです」
俺がそういうとコウキ様はわかった、と一言いい、後ろは繋がったまま俺を抱え上げた。
「ああっ」
それにより更に深い部分まで届き、俺は体を震わせた。その瞬間。
「あ、やだっ、みないでっ、コウキ様ぁ、みないでくださ……うぅ」
シャーーーと俺は精液ではないものを漏らしてしまった。
「あっ、うう、もぉやだ……」
「ふ、お前はほんとに……」
「なに……」
「掃除は中断な。寝室に行こう」
「え、は?ちょ、歩かないで、んっ」
俺とつながったまま歩くコウキ様の腕の中で、寝室に付くまでも喘ぎ、寝室についてからも声が枯れるまでなかされ続けたのだった。