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「サボり発見」
俺は閉じていた瞼を開く。高見先輩だ。先輩の授業は体育なのかジャージ姿だし。
「先輩もサボりじゃないですか」
「ふふ、残念。今は見学中だからサボりじゃないよ」
見学って、ここにいる時点でサボりだろ。なんて思いながら体を起こすが
「今体調よくないんでしょ。そのまま横になってていいよ」
「なんで知って「見えたから。喧嘩してるところ、そしてここに来ること」
先輩は凄いでしょと俺の隣に横になる。首を俺の方に向け、目が合った。俺はすかさず目を反らした…恥ずかしくて。熱あるの?顔赤いよ?だ、大丈夫です!!そう、無理はしないでよ。俺は赤くなった顔を腕で隠すように覆った。
高見先輩は空を見上げた。俺もそれにつれて見上げる。
「哉太はネックレスとかどこで買ってるの?」
高見先輩は体を起こして座っていた。
「街で専門の店があるんでそこで」
「ふーんピアスもあるの?」
「ありますけど先輩ピアスするんですか?」
「うん、してるよ。今はしてないけど穴は開いてる。」
高見先輩がピアスをしていたなんて初めて知った。また1つ高見先輩の事を知った。顔には出さないがとても嬉しい。距離が縮んでるような気がして。……その前に厄介なのが2人も居たな、どうしようか。
「今度、そのお店案内してくれる?」
「わ、わかりました!」
「約束ね」
あ、かず君が呼んでる。もう行くね。高見先輩は不知火先輩の所に向かった。高見先輩と不知火先輩はどういう関係なのだろう。ただのクラスメイトという関係ではないと思う。微かに聞こえる高見先輩と不知火先輩の声がする。俺は思った、不知火先輩が羨ましいと。
複雑な感情が俺の中を駆け巡る。
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