【凄腕】


いつだってフラれるのは俺の方。

女が喜ぶような愛情表現ができなくて、噛み合わない会話を埋めるようにただ肌を合わせるような、そんな不器用な恋愛しか俺は知らない。

本当は清香だって今までの女と同じように不満に思ってる事にもとっくに気付いていた。あいつが好きでいてくれてるのがわかるから、それに甘えてきたのは俺。

このままじゃいつものパターンで清香が去ってしまうのは目に見えているのに、だからと言って急に素直になれる訳もなく、傷付ける事しかできないでいる。

この一歩が踏み出せれば楽になれる、清香だって喜ぶって事もわかっているのに。

わかっていても強情なのは相変わらずで、意地も見栄も張ったまんま。

自分でもあきれるくらいに。


本当はちゃんと言いたい。

俺だって変わりたいって思っているのに、それすら上手く伝えられない。

そして清香なら俺のプライドを溶かして、楽にしてくれるんじゃないかと期待したりして。期待を裏切るのはいつも俺の方なのに。


だから白目が告白したって聞いた時も、それを清香が断らなかったと知った時も、腹が立ったのは自分に対してだった。

清香は俺の事が好きなはずなのに、白目に気持ちが傾いてる。

好きだと口に出せない俺は愛される価値なんてないのか。

清香を誰よりも好きだって気持ちはちゃんとここにあるのに。


白目みたいに言えたらどんなに楽か。

最近そればっかり考えてる。

で、ついつい白目ばっかりを使いっ走りにしちゃうんだよなぁー


最低。


(好きだよ、清香)

(愛してる)

とか自分で言ってるとこ想像するだけで死にそう……



清香を姦すように抱きながら、ただ独占欲だけが肥大する。

こうやって俺の下で喘ぐ清香を見て白目が諦めてくれたらいいんだけど、アイツは蹴飛ばさなきゃ起きない奴だ。

清香は必死で声を抑えようとしているが、今見せつけるってのは無理だって事を俺だけは知っていた。

清香の片足を上げて、さらに深く侵入するとさすがに声が漏れ始める。

奥にぐいぐい当る度にギュッと締まって、行き場を失った蜜が溢れてくる。その蜜が出てくる様子を見るのが好きだ。いやらしくて、卑猥で、清香の快感が分だけ溢れてきてるんだと思うと、もっと見たいとも思った。

月夜の晩は月なんて見なくていい。
月明かりに照らされた、乱れた清香を見ている方がずっと風流だ。


「ん、く……っ、や……あ、あ、あ、ダメ……っ」

「声出していいんだぞ?いつもみたいに鳴けよ」

「だっ、て……起きちゃう、し、ろ……ああっ!」

「気にすんな。キモチイイ事だけ考えてろ」


ダメだとかヤダとか言いながらもちゃっかりびくびくイッた清香。俺もそろそろ限界で、また傷付けるかもと思いながら、

中に出した。









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