私の後ろにいる、痴漢であろうその男の服にギョッとした。
驚いた事にこれから私が勤めていく七清華の制服だった。


どうしよう、彼は私を教師と知らずに触っている。知っていたら痴漢なんてしなかっただろう。

ここで彼を痴漢だと叫んでしまったら……

きっと大問題だ。

あの由緒正しきお坊ちゃま高校の生徒が痴漢行為だなんて。きっと家柄も良いんだろうし、事を荒立てると事態が大きくなりかねない。

私は「やめてください」を飲み込んで、窮屈な車内で身をよじるというわずかな抵抗を試みた。


ところがその手は私の意志を汲み取る事もせず、さらに大胆になってきた。
お尻を掴むようにこね回してその肉の感じを楽しんでいるよう。

乱雑な触り方に少しずつタイトスカートが上がってきている。

「やめて」と言えない状況では頭の中で、これからどうされるのかと考えてしまう。

そうなると意識はこの痴漢の手に集中してしまって……ゾクッと肌が敏感になるのがわかった。

恋人からの愛撫の時みたいに期待と安心感に満ちた感覚じゃなくて、不安と緊張。

それでも体をくねらせてしまいそうになってしまう。

手は静かにスカートの中へと進入してきた。
ストッキングの太ももを指先でなぞり、お尻を触る。私が抵抗しない事に安心したのか、ストッキングをお尻の下までそっと下げた。

(あん……ダメだったら……)

思わずあげそうになる声を我慢して、下を向く。

下着のお尻を包んでいる部分が邪魔だと言うように引き上げられた。
右も、左も。Tバックのように真ん中に食い込ませて、生のお尻を鷲掴みにしてくる。


(嫌ぁ……っ!)


心の中では必死で叫んでいても、それを表に出す訳にはいかない。

それにしてもなんて大胆なんだろう……

電車の中でこんな事、ありえない。

そして、半分パニック状態の私に彼はさらに反対の手を胸へと伸ばしてきた。






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