「ヤッたらまた腹減ったな」

「私は喉が渇きました……」

「隣に丸聞こえだろうなァ。窓開けといたから」

「嘘っ!?」

「ウ・ソ」


もう、冗談ばっかり。オトナゲないというか何と言うか……
そう言う私も大人っぽくはないのだけれど。

やっぱり10代じゃあるまいし騎上位だったり口でしたりが苦手だなんてダメだな。
気持ちよくしてもらってばっかりで恥ずかしかった。


「私、努力してみますね……」

「ん?」


って、私、何考えてるんだろう。


「あの……お料理、がんばろうかなぁって」

「じゃ、今度こそ俺に手料理食わせてよ。杏珠チャン」


はい、と約束してポイと投げられた先生のシャツを羽織った。シャツの大きさがなんだかくすぐったい。

先生はパンツだけ穿いてキッチンへと立って私はそのまま、また寝転んだ。

渡されたミネラルウォーターのボトル。


「ありがとうございます」

「まだ気持ち良さそうな顔してんのな」


そう言われてガバッと頭までシーツを被った。


「してませんっ」


軽い笑い声とベッドに染み付いた先生の匂い。
ソワソワと落ち着かなくて、ドキドキして……

恭介先生の少年ぽさがうつったのか、私まで子供みたいな気持ちになったのだった。



to be continued……
21.10.9






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