気持ちよすぎて泣きそうなくらい。喘ぐ声が段々と泣き声じみてくる。
「ああっ!気持ちいいです……ふぁ、ダメェ……また、いっちゃう……葵さん、葵さん……怖い、ああぁっ」
「イッて。怖くないよ……堪えないで、たくさんイッて下さい」
「あーっ!イク、イッちゃいます……んんっ、ああぁあっ!」
涙というのは感情の高ぶりによって流れるものだというのを実感した。
悲しくも嬉しくもないのにあまりにも気持ちがよくて涙が出る。
ただ、久瀬先生は私の涙を何か勘違いしたみたいだった。
「ごめんね……こんなにして……あぁっ!もう……出る……杏珠、ごめん……」
ドクドクと私の中で脈を打っているのを感じた。その感触を味わうように私の膣も収縮する。
そのまま、気が付けば久瀬先生の腕枕で眠ってしまっていた。
窓の外はうっすらと光を帯びている。
彼を起こさないようにそっと抜けだし冷めたコーヒーを飲んだ。カップを洗ってメモだけを残し、ほんの30秒ほどの自宅へと戻る。
私の人生初の朝帰りだ。
『先生の腕が痺れないうちに帰ります。コーヒーごちそうさまでした。杏珠』
to be continued……
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