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照星さん現代設定


公安警備局に所属。
対テロに神経をすり減らす日々。

日本人だが生まれはカナダで幼少の頃より猟をたしなみ、その腕前は神童と呼ばれるほど。



──────……‥


「ふぅ……」

あたしが照星さんにお茶を差し入れると、小さなため息を吐いた。きっと疲れているのだろうがその顔は無表情でいつもと変わりない。

彼専用の部屋は警察とは思えないような豪華で落ち着いたインテリアで、ちょっとしたホテルのようだ。

照星さんの趣味で彼自身が家具を持ち込んだとウワサで聞いた事がある。
仕事もできてオシャレで紳士で……ひそかに憧れているのはきっとあたしだけじゃないのだろう。


「押収品のチェックですか?」
「あぁ。人手が足りなくてね」
「わたくしでよければお手伝いさせて下さい」


いつも忙しい彼のお役に立てればと申し出ると、頼むよと革貼りのソファの端を空けた。

隣に腰を下ろすと脚を開いて座る照星さんに膝が当たってドキっとした。

気を取り直してテーブルに山積みにされた本や手紙の数々に目を落とす。
テロリストの部屋から出てくる書物には彼らの思想や人格が写し出されているものだ。

そのうちの一つを手に取った。


「わが闘争……」


あの惨劇を産み出したヒトラーの著書だった。
正直読みたいと思わなかったが仕事である。仕方なくページを開いた。


「興味なさそうだね」

「テロリストとは趣味が合いません」

「合っちゃ困るよ」


少し、照星さんが笑った気がした。キュンと胸が鳴って、手にしているのが『初恋』とかだったらもっとロマンチックなのにな……なんて考えてしまった。









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